ついに発売された「スマッシュコート プロトーナメント2」。そのリアルな挙動と,美しいグラフィックなどに賞賛の声が挙がっている。
前作からわずか2年間で,ここまでのクオリティのテニスゲームをリリースするには,相当な苦労があったと思われるが……。その開発秘話をナムコの原氏に聴いた――。
■スマッシュコート プロトーナメント2
ビデオゲームとテニスというスポーツのかかわりは長く,古い。
'72年に初のアーケードゲームとして発表されたATARIの「PONG」(ポン)は,テーブルテニスをいわば記号化したものだ。
ただ,あれはあくまでピンポンで,しかも球を打つのではなく跳ね返すもので,まったく別物といわれてもしかたない。
それなら,表示機器(ディスプレイ)を利用したものとしては,世界初のコンピュータゲームといわれている「Tennis for two」まで遡ればいい。
このゲームは米国のブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)で,'58年に技術デモンストレーション用に制作された。
アナログコンピュータとオシロスコープをつないだ簡素な電子機器だが,横から見たコートの中を放物線を描きながらボールが行きかう様は,テニスのラリーを絶妙に表現している。
このページ(http://www.osti.gov/accomplishments/videogame.html)に掲載されている,当時撮影された動画を見れば,それが分かるはずだ。
■ノンフィクションゲーム
半世紀を経た現在では,そんな昔話を引き合いに出すのが失礼に思えるほど,テニスをリアルに表現したゲームが存在する。
それが,今回の「スマッシュコート プロトーナメント2」だ。
芝,土,ハードと質感がさまざまに描き分けられたコート上を滑らかなモーションで動く選手たち。ボールを追ったり,ショットを打っている瞬間はもちろん,レシーブ前の姿勢やボールを逃した,後の動作までも実に細かく描かれている。
アナウンスや歓声,打球音のエコーのかかり方も競技場の雰囲気を存分に醸し出す。日光が降り注ぐ昼間の試合のほか,複数のライトに照らされ,プレーヤーやボールの影もリアルなイブニングセッションなども美しいばかりだ。
棒が点を跳ね返す時代,俯瞰したコートの上に張り付いた紙のようなキャラクターが前後左右にバタバタと走ってラケットを振り回す時代を経て,テニスのTV中継と見紛うほどの完成形がここにはある。
ジャンルもずばり,「ノンフィクションテニスゲーム」と銘打たれている。
ウィンブルドン,USオープン,オーストラリアンオープン,ローランギャロスのいわゆるグランドスラム(4大大会)を舞台にし,実在のスタジアムや選手が登場するのが「ノンフィクション」たるゆえんだろう。 次のページへ
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