機能美溢れるデザイン
部分的にはもっと薄かったところもあったのですが,設計部門とお互いにアイデアを出しながらどうやったら魅力的なまとまりになるかを徹底的に検討を重ねました(笑)。
一時期はいろいろな問題でずいぶん厚くなってしまったこともありましたし,デザイン的に収まりが良いように液晶モニタをインチダウンできないかなど(笑),試行錯誤をしたこともあります。
当初は側面にもボタンを配置する案もあったのですが,やっぱり確実な操作が一番大事だ,ということで正面に全てのボタンを配置した形になりました。「プレイステーション」シリーズのコントローラを使った人なら違和感なくPSPにも入っていけると思います。
■E3で展示されたモックアップ。両サイドの曲面処理が製品版と異なるが,基本的なコンセプトはそのまま製品版へと反映されている。
また小型のデバイスを持っていると,LEDなど,どうしても手に隠れて影になってしまう部分があります。PSPではプレイ中でもLED等が視認できるように配置を考えました。基本的な操作は取扱説明書を見なくて理解できるように工夫しています。
ほかにもモニタをポリカーボネイト素材で上面をハードコーティングしたり,バッテリーがグリップの役割ができるような造形にするなど,むしろ納得できる姿になったかな。と思っています。
本体強度に関してもかなり試した結果,窓の部分も全部キャビネットと一体の部品で作ることによって,強度を高くしています。2種類の材料を同時に成型する,という技術で,ちょっとコストはかかってしまうのですが……。
主役である画面を引き立たせるための黒
ゲーム中画面に集中できるようにボディをモノトーンにしたのもポイントです。PSPはゲームの以外にも映画などさまざまなコンテンツに対応できるスペックを秘めているので,とにかく画面に集中できるようモノトーンと言うシックなカラーでまとめました。
画面を見たときには目立たない。黒い色のほうが引き締まって,コンパクトに見える,ということもあるんですよね。
当然,黒以外の色のPSPも欲しいな,という意見は出てくるでしょうが,第一弾は,最もパフォーマンス,機能的なものを考え,その結果,黒がベストということになりました。
最終的にコンセプトモデルを逸脱しないシルエットで完成できたこと,そして「ただ変わったものにしよう」ということではなく,必然性のあるシルエットで作り上げられたのが良かったと思います。
最後までいろいろありましたが……(笑)。最終的に満足できる製品に仕上がったと思います。
最終的に発表された価格は驚きでしたね。うちの子どもにもクリスマスプレゼントで買ってやろうかな,と思う嬉しい値段ですよね。
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※画面写真は開発中の為,実際の製品とは異なる場合があります。
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