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2年目に衝撃の展開が! 「スーパーモナコGP」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/2 ページ)

アーケードからの移植作品が多いメガドライブだが、「スーパーモナコGP」は、アーケード版とメガドライブ版で内容が大きく異なる。それはマシンの性能差というより、両者の遊ばれ方の差によるものといえる。

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RPG的なステップアップシステム

 ワールドチャンピオンシップモードでは、ただ16戦を戦うだけではない。

 F1では、チームによってマシンに大きな性能差があり、実力を見込まれたドライバーは、上位チームへステップアップする。RPGのレベルアップに似ているため、この要素を取り入れたレースゲームは多い。

 スーパーモナコGPでは、プレイヤーは中の下くらいのチーム、MINARAEからスタートする(モデルはミナルディだと思うが、ミナルディよりまだ下のチームがいくつもあるということが時代を感じさせる)。

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「がんばってかてるようになろう」と、あたたかく迎えてくれるMINARAEのクルー。でもプレイヤーは、すぐにこのチームを見限ることになるのだけれど

 このゲームでの移籍のシステムは、かなりユニーク。まず、上位チームのドライバーを1人指名して、ライバルとする。レースでそのライバルに2戦続けて勝つと、相手のチームに移籍できる。

 これを繰り返せば、シーズン中盤にトップチームまで登りつめることも可能だ。

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ライバルを指名しないと、次のレースで下位のドライバーから挑戦されてしまう

 トップチームのマシンは、400キロオーバーという、あり得ないスピードが出る。

 1コースあたり、減速する必要のあるコーナーが1つか2つしかないこともあり、ほかのマシンをぶっちぎって快適に走れるのだ。

 「1年に何度も移籍できる」「コーナーを全速で曲がれる」「400キロ以上のスピードが出る」など、現実離れした部分が多いが、それがいずれもゲームならではの爽快感につながっている。

 レースゲームというと、ゲーム機の性能を生かして、いかに車の挙動をリアルに再現するかという、技術的な側面がクローズアップされがち。だが「スーパーモナコGP」では、リアリティーを犠牲にしてでも、ゲームとしての爽快感を重視しているように見受けられる。

 いわばスーパーモナコGPは、F1の魅力を凝縮したゲームといえるだろう。

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モナコのコースは、コーナーが多いうえに路面が滑りやすく、最も走りにくいコースとなっている

2年目に訪れる衝撃の展開

 ワールドチャンピオンシップモードで、年間総合優勝を獲得すれば、晴れてエンディング……ではない。次のシーズンに意外なドラマが待っている。

 この年、開幕戦のサンマリノGPから早々に、チームBULLETSの「CEARA」という選手が挑戦してくる。

 このCEARAには絶対勝てない。異常に速いうえ、こちらがやっと追いついても、ワープして逃げてしまうのだ。

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CEARAがワープした瞬間。CEARAとの差が1秒を切った途端、目の前から姿を消してしまった

 かくしてサンマリノ、ブラジルと連続してCEARAに敗れ、所属チームを追い出されてしまう。

 中堅チームのDARDANに拾われるものの、チームクルーは「ほんとうに まだ はしれるんだろうな」と主人公を完全に“過去の人”扱い。

 この展開には、あ然とさせられた。

 それまでプレイヤーの操作するドライバーは、無色透明なキャラクターだった。常にヘルメットをかぶっているので、顔すらわからない。

 そのドライバーに、いきなり“チームを追い出され、再起にかける過去のチャンピオン”というキャラクター設定が加わるのだ。

 民放のスポーツ中継風に言えば、

「チャンピオンは再び立ち上がれるのか? その走りから目が離せない!」

という感じになるだろうか(フジテレビのF1中継というより、TBSの世界陸上のノリだが)。

 幸い、3戦め以降のCEARAは、それほど強くない。優勝を逃すこともしばしばなので、CEARAがもたつく間に、別のトップチームに昇格すれば、追いつくことは十分可能だ。

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 ちなみに、CEARAのモデルは多分アイルトン・セナ選手だと思われるが、メガドライブでは後に、セナ本人とタイアップした、「アイルトン・セナ スーパーモナコGP II」が発売された。

 セナがあまりに強すぎて、バランスがいまいちの感があったが、残念ながらこのソフトが発売された2年後にセナが亡くなってしまったため、今では、強かったセナをしのぶためのソフトとしての価値が生まれてしまった。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

(C)SEGA 1989,1990


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