我が道を行く強さ「ファミリーサーキット」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)
日本GPも間近に迫ったことですし、今回もレースゲームで。ずいぶん前にいただいていたのですが、JETBOYさんからのリクエストで、「ファミリーサーキット」(ナムコ)を取り上げてみました。
この道わが道
1991年、ファミリーサーキット'91が登場。
セッティング項目が細かくなっていることは先ほども書いたが、グラフィックのほうも前作より描きこまれている。
'91発売の3カ月後には、ファミリーサーキットのPCエンジン版となる、「ワールドサーキット」が発売された。
障害物が減って、走りやすくなった。セッティングの細かさは、ファミリーサーキットと'91の中間くらいで、各項目8段階となっている。コースが少ないのがちょっと残念。
またスーパーファミコン版「スーパーファミリーサーキット」もある。
スーパーファミコンでは回転スクロール機能が使えるので、コースが実在のものに近い形で再現されている。
ファミリーサーキットの作者・遠藤雅伸氏といえば、地上・空中を撃ち分けるシステムと、ミステリアスな世界観で話題になった「ゼビウス」や、以前この連載でも取り上げた「ドルアーガの塔」など、個性的というか、それまでには考えられなかったシステムのゲームを多く作っていた。
「ウィザードリィ」をファミコンに移植した際も、モンスターデザインに末弥純氏、音楽に羽田健太郎氏を起用したり、マップの一部を変更したりと、思い切ったアレンジを敢行し、好評を博した。
その遠藤氏は現在、携帯電話のゲームアプリを数多く手がけている。パズルゲームからRPGまで、その種類は幅広い。
中でも「右脳パラダイス」は、「SIMPLE2000 THEパーティー右脳クイズ」として、プレイステーション2に移植されている。
かつて遠藤氏と同じように、限られたハード性能でリアリティーを追究したクリエイターたちが今、高い機能のゲーム機で、存分にリアルな世界を作っている。
しかし遠藤氏の場合、あえて彼らとは逆の方向へ向かい、今でも限られた性能のハードで勝負しているところがおもしろい。
これまで作ってきたゲームと同じように、遠藤氏自身も、時代の流れに流されない“我が道を行く”強さを持ったクリエイターだといえるだろう。
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