HDTVで見るリッジ、5.1chで聴くリッジは、なんとも刺激的:「リッジレーサー6」レビュー(4/4 ページ)
「次世代機だからって、ちょっとやそっとじゃ驚かないぞ」と生来のつむじ曲がりなところを発揮するつもりが……驚いた。圧倒的なリアリティで迫る高精細映像、その場にいるかのような音の包囲感。この完成度で本体と同時発売とは、いやはや恐れ入りました。
Xbox Liveで最大14人のオンライン対戦も可能
Xbox 360で発売されたからには、やはりXbox Liveによるオンライン機能にも注目したいところ。リッジレーサー6では、オンライン関連で2つのプレイモードが用意されている。まず1つは、「Online Battle」。これは文字通り、Xbox Liveを介して世界中のプレイヤーを相手に通信対戦が楽しめるモードで、1つのレースに最大14人まで同時に参加できるというのがすごい。
「Online Battle」モードには、レースの順位に応じて獲得できるWRP(ワールドランキングポイント)でランクを競い合う「ランクマッチ」と、WRPのランクに関わりなく通信対戦を楽しむ「プレイヤーマッチ」の2種類がある。「プレイヤーマッチ」では、ホスト(レースの開催者)がコースやルールなどを自由に設定できる
もう1つのオンラインモードは、「Global Time Attack」。こちらはほかのプレイヤーと直接対戦するのではなく、スタンドアロンで任意のコースを選んで走行し、そのコースレコードをXbox Liveにアップロードしてランキングを競うというもの。タイムのほかに、自分の走りを“ゴーストデータ”としてアップロードしたり、ほかのプレイヤーのゴーストデータをダウンロードして一緒に走るといったことも可能だ。
「Online Battle」で見ず知らずのプレイヤーとリアルタイムで対戦するのも楽しいが、わたしの場合は「Global Time Attack」の方にすっかりのめり込んでしまった。タイムを更新できると即座にランキングに反映されるのが純粋にうれしく、そのためにコースを研究したりニトロの使いどころをあれこれ模索するのがおもしろい。
「Online Battle」では自信を喪失しかけたが、「Global Time Attack」ならそこそこ上位に食い込むことができて、ちょっと有頂天。もっとも、まだプレイヤーが少ないからという話もあるが……
また、執筆時点では始まっていなかったが、Xbox Live経由でのダウンロードコンテンツも楽しみの1つだ。予定では、まず12月15日に第1弾のダウンロードコンテンツが公開され、通常のカラーリングとは違うマシンを使用できるようになったり、追加BGMをダウンロードできるとのこと。このように、ソフトの発売後もコンテンツを増やせるというのも、オンライン機能とHDDを内蔵しているXbox 360ならではの魅力だろうと思う。
リッジレーサーってフィギュアスケートに似ていると思う
おかしなたとえかもしれないが、リッジレーサーというゲームはフィギュアスケート競技にも通じるものがあるように思う。ヘアピンカーブは高難度のトリプルアクセルを飛ぶようでもあり、連続カーブはジャンプコンビネーションのよう。くねくねと曲がりくねった道を小気味よいハンドルさばきで駆け抜ける様は、まるで佐藤有香選手が得意とした華麗なステップ・シークエンス見ている気分になる。スピードに乗りながらそれら一連の動作を連続して決められたとき、胸がすくような爽快感が広がるところも似ている。今回のリッジレーサー6は、緻密な美しさと極めて安定感の高い映像によって、そうした感覚がいっそう増幅されるのを感じた。
ナムコの公式サイトには、リッジレーサー6について“ハイデフ・エンターテイメントのガイド役”と書かれていたが、まさしくその言葉通りで、目や耳から入る刺激のひとつひとつに強烈な説得力がある。これでもまだXbox 360の力を使い切っていないのだろうから、これから2〜3年後にいったいどんなゲームが出てくるのかと思うと、楽しみでならない。
強いて難をあげるなら、ひどく目が疲れることだろうか。普段、目に疲労感を感じることは少ない方なのに、目から入る情報量が格段に増えるせいなのか、無意識のうちにも目を酷使しているのかもしれない。ここは基本に則って「1時間プレイしたら10分休み」と行きたい。
ビルの壁面にあるアドビジョンに映っているムービー、見覚えがあると思ったら、前作「リッジレーサーズ」のオープニングだった。ほかにもコースのところどころにナムコらしい遊び心が隠されているので、それを探してみるのも一興
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