「E for All」に行ってきた:くねくねハニィの「最近どうよ?」(その17)(2/2 ページ)
10月18日〜21日まで、北米カリフォルニア州のロサンゼルスコンベンションセンターで行われた「E for All」に行ってきました。エンドユーザー向けに今年から始まったイベントだけど、いったいどうだったのか?
E for Allの敗因(?)をまとめてみる!
開催スケジュール
これに尽きるっちゃ尽きる。年末商戦の仕込が終わったこの時期では、何も新しいことをメーカーから出す必要がない。プラットフォーマーや各ソフトメーカーの参加が少なかったのもこれが原因と考えられるの。また、来年は8月28日〜8月30日に行うと発表しているけど、E3とTGSの間でとても忙しい時期。今年よりはいい時期かもしれないけど、今年の集客を考えるとキャンセルもありうるよね〜。
出展社が少なすぎ
ハードメーカーは任天堂だけ、ソフトメーカーもほとんど相手にしていなかったってことで、活気に欠けましたね、マジ。少なくとも次世代ハードメーカーが呼べないなら、ゲームショーとは言えないのでは? 年末商戦のこの時期に発売予定の大型タイトルが偏って展示されているようではユーザーも二の足を踏むよね。開催時期、開催場所、運営方法など、もっとメーカーさんたちと密に話し合って決めるべきだったと思いますぜ。
認知度低すぎ
LAコンベンションセンターという大きな展示場で行ったのにも関わらず、業界の人も含めて認知度が低かった気がするな。「何それ?」って言ってる業界関係者もいたし(苦笑)、実際に北米のウェブニュースサイトなどでもほとんどE for Allのことは取り上げていなかったよね〜。やるならやるで、きちんと知名度を上げて欲しいものですわ。
値段高すぎ
前述の通り、値段高すぎです。業界関係者と話をしていたのですが、家族4人で週末に見にきたら75ドル×4人で300ドル(3万6000円くらい)の出費になっちゃう。軽くゲームでも見に行こうか? ってレベルじゃないよね〜と。ってことは、そこまでお金をかけて見に来るのはコアコアのユーザーか業界関係者くらい。“For All”になってないんではないかい? と突っ込みたくもなるわけさ。
E for All 総括
正直言って、来る価値はなかったかなと……。すみません。悔しいけど。予告はされてますが、本当に来年あるかどうかはまだわかりませんね。E3のあり方も問われている現在、また昔のように大きなE3に戻るんでは? とか、このまま2本立てで続けてみるのでは? とか、いろんなことがささやかれています。迷走を続ける北米のゲームExpo、ハニィはそれでも熱く見守っていきますよん。
ただ、日本の展示会としても参考にすべきと思った点は、ユーザー参加型という点。見せるだけではなく、「プレイ」する空間を存分に使うという点。また、有名クリエイターの講演とかはなかったけど、「Guitar Hero」とか「Rock Band」とか、「Halo 3」のようなユーザー参加型のコンペティションイベントは盛り上がってました。ゲームに触れてもらうこと、プレイしてもらって楽しいことを感じてもらうこと、そして、「ゲームがうまいとカッコいいんだ!」ってアピールは最近日本市場に欠けているところかと思いました。ゲームは「オタク」がやる一部の娯楽ではなく、みんなが楽しんで、みんながヒーローやヒロインになれるんだ! ってことを見せつけてたって意味ではハニィは感心しましたね〜。
もっともっと業界として盛り上げなきゃいけない、って意味では、アメリカも日本も変わらないですからね!
ハニィのあとがき
久しぶりにアメリカに来ているわけですが、噂ではWiiはもうあまっていると聞いていたのに、やっぱまだ足りてませんの。お店にはほとんど在庫がなくて、いきなり行っても買えない状況は続いていました。小売店では「Halo 3」一色かなぁと思いきや、やはり年末商戦に向けて廉価版やマークダウン(値下げ)した商品もたくさん並んでましたね〜。
それにしてもE for Allにはやられました(涙)。こんな寂しいLAコンベンションセンターを初めて見ましたよ。業界関係者とも会ったのですが、見て回るのに3時間くらいかかるかな? と思いきや、15分で見終わったとか、いろんなプレイアブルを試したとしても1日はいらないな、とか否定的な声が聞かれましたよ……残念。せっかく意を決して見に来たハニィも、原稿を書く意欲が失せてしまって、こんな遅いリポートになってしまいました〜!ごめんなさーい。(※編注:言い訳です。聞き流しましょう)
ってことで、今年もあと2カ月。年末商戦の結果もちらほらと出てくる時期ですから、また間をおかずに(※編注:ホントかよ)お会いしましょう!
くねくねハニィのプロフィール
1967年アメリカサウスダコタ生まれの日本人。
小学生からはゲームセンターに通いまくってやたら大きく育つ。
1990年に都内K大学を卒業後、大手ゲーム会社にて海外ソフト担当となり、2001年に退職。それ以降は自称フリーのゲームアナリストとして暗躍。暗躍しすぎたので名前を変えて表舞台に。くねくねと唐突に現れて「親父ギャグ」をかまして周りの人々のレベルを下げまくる困ったやつ。独特の語り口調ですが、もう慣れてくださいとしか言えません。言ってる中身は至極マジメなので。ちなみに「風来のシレン」が好物で、名前もそこから借用。なんだか公認してもらったそうです。
「E for All」ではテンションを下げられたハニィは、その後サンフランシスコで美味しい蟹やクラムチャウダーを食べてライフを回復されたかどうかは分かりませんが、どうやらすでに帰って来てらっしゃるようですね。
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