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ハクトウワシに女神は再び微笑むか?――「アップルシードタクティクス」第2回戦詳報(2/2 ページ)

ゲームポットが運営する多人数同時参加型戦略シミュレーション「アップルシードタクティクス」の模様をお伝えするバトルリポート。前回王者となったアメリカ帝国が余勢を駆ってスタート段階で最大所属人数を確保。数の優位はそのまま勝利に結びついたのか?

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終盤:逆転優勝を狙ったURのアジア侵攻が世界の均衡を突き崩す

 北方で睨み合うワシと獅子。南方で噛み合う餓狼と太陽(自由アフリカのシンボルマーク)。世界は2つの対決を抱えながら、しばしの均衡状態に入った。なお、青林檎(オリュンポスのシンボルマーク)は序盤の劣勢が響き、中盤にはアメリカ帝国の攻撃を受けてガイアシティを失陥、さらなる苦境に立たされていた。

西アフリカに押し込まれたオリュンポス。それでも所属するエージェントたちは“滅亡だけはしない”という固い意志の元、粘り強く戦い続けた

 この時点での総資産はナグルファルがトップで以下、自由アフリカ、アメリカ帝国、UR、オリュンポスの順。ただし、豊かなヨーロッパを抑えているURがアメリカ帝国に迫っており、逆転は時間の問題という状況だった。そして、世界情勢は追い上げるURが採った大胆な作戦から一気に動き始める。

 URはトップであるナグルファルと領土を接していない。直接ナグルファル領を浸食することができないため、優勝を目指すにはナグルファル以外の勢力から都市を奪い、総合的な経済力で上回るしかない。ここでURが目標としたのが第2位の自由アフリカ。だが、これにはひとつのリスクが伴う。主力を東に向ければ、アメリカ帝国によって本拠地のヨーロッパが襲われる危険がある。かといって戦力を集中しなければ自由アフリカの防衛線は抜けない。

 最終的にURは外交でアメリカ帝国の足止めをし、自由アフリカを攻撃するという策を選択した。この作戦は当たりに当たり、URは西アジアはおろか、何とインド全域を支配するまでの快進撃を果たす。

アジアを東へ東へと進撃していくUR。古のアレクサンドロス大王もかくやという躍進ぶり

 自由アフリカはURの攻撃に対して組織的な防戦を展開することが出来ず、ずるずると後退したが、攻めれば攻めるだけ奪えるという状況が逆にURにとってあだとなる。侵攻のチャンスを待っていたアメリカ帝国がここで欧州へ攻め込んできたのだ。無論、URも十分に警戒していたのだが、アメリカ帝国はそれを超える攻撃力で攻め込み、一気に欧州を席巻。URはアジアとインドを自由アフリカから奪ったことで第2位に昇格したものの、首都パリをはじめとする欧州都市群を喪失。逆にアメリカ帝国は見た目こそ第4位ながら、第2位URまでの差はわずかで、多少を時間をかければ逆転できるというところまで到達した。

欧州へなだれ込んだアメリカ帝国。単に奪うだけではなく、制圧後は内政にも力を注ぎ、欧州諸都市を自らの財源へと変えていった

 やがて第2位に上がったアメリカ帝国は依然トップを維持して逃げ切りを図るナグルファル領への攻撃を開始する。ついに首位決戦の幕が開いたのだ。開戦当初はアメリカ帝国が優勢で、ナグルファルの本拠であるアマゾン川の河口にあるベレンに迫る勢いを見せる。しかしナグルファルも反撃に転じ、南米北部を奪われたものの、戦線をきっちりと維持し、容易には崩れない。

熟練プレイヤー同士による直接対決となったアメリカ帝国VSナグルファル。写真はバルバドスとジョージタウンを巡る攻防。紙一重の激戦が繰り広げられていることが分かる

 この事態を見て、アメリカ帝国はナグルファルを破ることよりも総合力で圧倒する手段を選ぶ。それはナグルファル以外の勢力から都市を奪うことを意味する。アメリカ帝国は西アジア、インド方面にあるUR統治下の都市をターゲットに選んだ。

 この作戦も成功し、URはアラビア半島に押し込められた。ここで見事だったのだがアメリカ帝国の領土拡張方法。URから都市を奪いつつも、自由アフリカと接敵する拠点には手を出さず、戦線が複雑化しないよう配慮を払ったのだ。

自由アフリカと接しないように行われたアメリカ帝国によるアジア占領作戦。経済力の高いカイロすら手を出さないという徹底ぶり

 かくしてアメリカ帝国は経済力でナグルファルを上回り、時間の経過にともなってついに首位に立つ。そしてそのままリードを守り、2連勝を飾ったのである。

総括:防衛を重視した領土拡張で勝利を得たアメリカ帝国

 それでは第2回戦における各勢力の戦いぶりを振り返ってみよう。

 再び頂点に立ったアメリカ帝国を特徴づけていたのは、奪った拠点を確実に支配していく防衛重視の姿勢。単に拠点を抜くだけなら、自由アフリカなどもかなりの成功を収めているのだが、制圧後の維持という点で他勢力を凌駕した。ガイアシティを奪ってからしばらくは首都奪還に燃えるオリュンポスの反撃を一身に受けることになったが、堅い守りでついに攻撃を断念させるなど、ディフェンスの高さが随所で光った。アメリカ帝国は前回同様の作戦を採ることで、精度をさらに高めたと言えるかもしれない。

 惜しくも第2位となったナグルファルも、戦略面では決してアメリカ帝国には劣っていなかった。序盤に取れるだけの都市を奪い、そのリードを生かして主導権を握るという作戦は成功していたし、自由アフリカやアメリカ帝国との戦闘においても連携して的確な対応を見せた。他勢力の崩壊が敗因になったことを考えると、ある意味気の毒だったかもしれない。

 ユナイテッド・リパブリックは今回派手な見せ場を作った。最終的に彼らの作戦がアメリカ帝国に利したのは事実だが、それだけで責めるのは結果論者のすることだろう。何より評価すべきはアジア侵攻作戦がトップを狙っての行動であったこと。あのまま守っていれば第2位で終われたかもしれない。しかし、あくまで優勝を目指し、できるだけのことやってみようとした積極性は賞賛されこそすれ、非難されることなどない。勝敗は誰も予測できないさまざまな不確実性の上に決まる。敗北それ自体は恥ではない。

 自由アフリカは序盤で見せた全体的な統制が中盤以降機能しなくなってしまったのが痛い。掲示板でも作戦提案よりもフリートーク系の書き込みが多く、組織力という点で他勢力の後塵を拝してしまった。次回はプレイヤー相互の連携を強化し、全世界を輝く陽光で照らしてもらいたいと思う。

 オリュンポスは残念ながら完敗に終わってしまった。しかし、スタート直後から苦戦を余儀なくされながら、ゲームを投げずに戦い続けた姿勢は素晴らしかった。その敢闘精神は次回以降のプレイにおいて必ずやプラスになるだろう。

 さて、ここまではアメリカ帝国、ナグルファルがワンツーフィニッシュを決めるという展開が続いている。次戦、他勢力の台頭はあるのだろうか。第3回戦は11月12日(木)、午後6時より開始される。この戦いがどうなるかは、あなた自身が参加してご自分の目で確かめていただきたい。

(C)士郎正宗/青心社/M2 Published by Gamepot Inc.


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