9:ゲームのプレイ動画、75%が「視聴経験アリ」 視聴きっかけにソフト購入するケースも
11月12日の「ねとらぼ」でも掲載されたように、前述の「東京ゲームショウ2012来場者調査報告書」を見ると、ゲームのプレイ動画を見たことがあると答えた人が、実に75パーセントもいたことが明らかになりました。また、プレイ動画がきっかけでゲームを購入したことが、ほぼ2人に1人は「ある」と答えていました。
このような結果が出た理由はもちろん、YouTubeやニコニコ動画に代表される動画サイトがあることによります。各メーカーの公式ホームページにおいても、当然ながら自社製品のプロモーション映像は視聴できますが、上記の結果を見ると動画サイトによるプロモーション効果も無視できない存在となりました。実際、動画サイトでメーカー公式の動画がアップされているも今では珍しくありません。
動画サイトと言えば、12月6日のニコニコ生放送にて任天堂が来年4月27〜28日に開催される「ニコニコ超会議2」に特別協賛するという発表にも驚かされました。ニコニコ動画に限らず、たいていの動画サイトではメーカーに無断で実況プレイを中継したり、ネタバレ攻略プレイ動画などを勝手気ままにアップする利用者が後を絶たない状態です。そんな状況にありながら、まさか任天堂が特別協賛を表明するなどという時代が来ることを誰が予測できたでしょうか? 今後は、現在Wii U配信中のニコニコ動画を視聴できる無料ソフトを利用したプロモーション活動やイベントの開催など、新しいゲームの楽しみ方が誕生するかどうかにも注目したいところです。
10:ゲームメディアにも業界再編の波が到来!?
12月17日でゲーム情報サイトの「GameSpot Japan」が終了となり、以後は「C-NET Japan」が後継の媒体としてゲーム情報を掲載することになりました。英語がまったくダメな筆者は、海外の情報を調べる際に同サイトの情報を何度も参考にさせていただいたことがあるだけに、今回のニュースは本当に残念です。しかも過去の掲載記事が一切閲覧できなくなっており、海外の情報をかつてはどのように伝えていたのかという、メディアの歴史を残すという観点からも今回のニュースはまさに痛恨でした……。
さらに11月21日には、「4Gamer」の運営会社であるAetasをデジタルハーツが8億円で買収すると発表。これによって、サイトの運営自体に大きな変化があったわけではありませんが、ゲームメディアにも業界再編の波が押し寄せていることを痛感せずにはいられません。
そして雑誌媒体においても、3月30日発売号をもって「ゲーマガ」が休刊となりました。前身の「Beep(ビープ)」まで含めれば、27年間も続いた老舗メディアがまたひとつ姿を消したことになります。さらには、今年から「ファミ通Xbox 360」が月刊から季刊誌になってしまいました。
昨年のことですが、筆者は某所で約10名ほどの中学生を取材する機会がありました。そこで「普段ゲーム雑誌や攻略本を買いますか?」と聞いたところ、何と全員が「読まない」あるいは「買ったことがない」と答えていました。また、何かゲームの情報を知りたいときには「ネットで検索して調べる」と、同じく異口同音に語っていたので衝撃を受けました。子どもでも携帯あるいはスマホを持ち、インターネットブラウザやメール、SNSを自在に操る時代にあっては、わざわざお金を出してまでゲームに関する情報を求めようという気にはならないようです。
名前は伏せますが、実は筆者が以前からお付き合いのある上記以外のメディアの中にも、全ライターの原稿料を一律で減額したところがいくつか存在します。今に始まった話ではありませんが、ゲームメディア間での生き残り競争が一段と激しくなってきた感がありますね(ホントにつらいですよ)……。
各メーカーがインターネットを通じて自社製品やサービスの情報を配信する時代になって久しい今日この頃。このような状況では、メーカー側も広告の出稿に二の足を踏むのもある意味しかたがない面はあるでしょう。ユーザー自身も独自に情報を発信したり、コミュニティを形成する時代にあって、今後はゲームメディアはいったいどうあるべきなのかが今まさに問われているのです。
と、いうことで、今年の毒弾……もとい独断と偏見で選んだ10大ニュースはいかがでしたでしょうか? 暗いニュースがいくつも混ざってしまいましたが、もしまた来年末に10大ニュースをお届けする機会をいただけたときには、1〜10位まですべてが明るい話題のニュースで埋め尽くされることを願ってやみません。かく言う業界の末席にいる筆者も、少しでも貢献できるよう出来得る限りのベストは尽くしたいと思います。
それではみなさん、どうぞよいお年をお迎え下さい!
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