「脳波で会話」が当たり前になる?――「脳波で動くネコミミ」仕掛け人が語る、脳波デバイスの未来:シッポもぜひ実用化してほしい(1/4 ページ)
日本人がまたよく分からないものを作ったぞ――。YouTubeに投稿された「脳波で動くネコミミ」の動画に、世界中のメディアが注目した。一体どんな人が作ったのか?
近い将来、僕らは言葉ではなく「脳」でコミュニケーションをとるようになるかもしれない。
YouTubeに投稿された「脳波で動くネコミミ」の映像に、世界中のメディアから問い合わせが殺到した。女性の頭に装着されたネコミミは、装着者の脳波を読み取って、ピッと立ったり、逆にぺたっと垂れたりする。女性が気になる人とすれ違うと、それまで寝ていた耳がぴくっと反応する。男性が通り過ぎてしまうと、再び耳が垂れる。
「日本人がまたよく分からないものを作った」
「くだらないけど、実はすごい発明なんじゃないか?」
「どこで買えるのか教えてくれ」
たちまち動画は全世界に広がり、「WIRED UK」をはじめ多くのメディアがこれを取り上げた。はじめてプロトタイプが出展された表参道のイベントでは、7日間でのべ100人以上がこの「脳波で動くネコミミ」を体験していった。
一体、どういう人が作ったのだろう? 開発元であるニューロウェアのサイトには、次のようにある。
advertisement“ニューロウェア”は「Augmented Human Body(拡張身体)」をコンセプトに、脳波や生体センサーを用いたファッションアイテムやガジェットを開発するプロジェクトです。
第一弾 “necomimi” の他、さまざまなアイテムの企画・開発を行っていきます。
どうやら作ったのは日本人のグループらしい。しかし公式サイトを見ても、どんな人が、どんな目的でこれを作ったのかはよく分からない。せっかくなので「触らせてもらえませんか?」と連絡してみたところ、快諾いただいた。
これまでは医療や研究の分野でしか使われてこなかった「脳波」や「生体センサー」を、もしもファッションやガジェットに生かしたらどうなるのだろうか? 脳波が当たり前に使われるようになったら、僕らのコミュニケーションはどう変わっていくのだろうか? 実際に「脳波で動くネコミミ」を体験させてもらいながら、「necomimi」の仕掛け人であるニューロウェアの3人にお話をうかがった(以後、敬称略)。
世界中から問い合わせがあった
―― YouTubeの動画、拝見しました。公開から2カ月で、だいたい120万再生くらい?(6月15日現在は約150万再生)
神谷 いやあ、あんなに反響があるとは思ってなかった。動画の投稿日は3月になってますけど、最初の1カ月くらいは非公開にしてたので、実質3週間くらいで一気に伸びた形ですね。
―― 世界中から問い合わせがあったとか。
神谷 最初に紹介してくれたのはWIRED UKかな。そこから一気に広がりましたね。
なかの フランス、アメリカからの問い合わせが多かったですね。あとロシア。
神谷 ドイツのテレビとかもね。「出演してほしい」とか「送ってほしい」という問い合わせも多いんですけど、まだ「necomimi」自体が2つしかないからなかなか対応できなくて。
加賀谷 いま「necomimi」の問い合わせに対応するのが精一杯で、日々の仕事が進まないんですよ(笑)。
―― 問い合わせのほとんどはやっぱり海外からですか?
神谷 95パーセントくらいは海外ですね。ただ、3人ともそこまで英語が得意ではないので……。
なかの 返事を書くのが……(笑)。
―― ホントに予想外の反響だったんですね。
神谷 そもそもあの時点であんな大々的にアピールするつるもりはなかったんです。まずはプロジェクトを継続させるために、「こんなに人気があります」って証拠ビデオを撮りたかった。
なかの そうそうそう。
神谷 イベント(※)自体は全部で10日間あったんだけど、ウチは中3日をおやすみにしてたんだよね。前半の4日間で動画を撮って、その様子をさくっとまとめてYouTubeにあげて、3日間遊んでから戻ってきたら……。
なかの 盛り上がってた。「え!?」って。
神谷 びっくりしたね(笑)。ユーザーに体験してもらったのは、我々としても今回がはじめてだったんです。みんな本当に面白がってくれるのか、それとも「なんだこれ」で終わってしまうのか、やってみるまではまったく予想できなかった。
なかの でも試してもらったら、けっこう好反応で。
神谷 コンセプトムービーだけじゃなく、実際に体験してもらった動画をあげたのがよかったのかな。それで「あ、ホントに動いてるんだあれ」ってみんな思ってくれた。
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