ニュース

スイッチ1つで記憶を忘却・復元させる方法 米研究者が開発

「スイッチを入れるとラットは思い出す。スイッチをオフにすると忘れる」――米国の研究者が、記憶を忘れさせたり、戻したりできるシステムを開発したという。

advertisement

 スイッチ1つで記憶を忘れさせたりよみがえらせる方法を、米国の南カリフォルニア大学の研究者が開発した。


セオドア・バーガー氏

 同校のセオドア・バーガー氏は、記憶に関連する神経信号を複製する電子デバイスを作り出し、ラットの記憶機能を再現したり、記憶力を強化したりすることに成功したとしている。

 このデバイスは、海馬(記憶を司る脳の部分)の中の、記憶の定着にかかわる領域の活動を模倣できる。実験では、ラットにレバーを押す動作を学習させ、この領域の活動を薬物で阻害したところ、学習した行動が見られなくなった。デバイスをラットに埋め込んで起動したところ、薬物によって忘れさせられた行動が戻ったという。「スイッチを入れると、ラットは思い出す。スイッチをオフにすると、忘れる」とバーガー氏は語る。

advertisement

 またこのシステムを通常のラットに埋め込んだ場合は、記憶力が強化されることも示された。

 バーガー氏らは次のステップとして、ラットで得られた実験結果を猿でも再現することを挙げている。最終的には、アルツハイマー病などの人々の記憶機能回復を支援する装置を作ることだとしている。

 研究結果を記した論文「A Cortical Neural Prosthesis for Restoring and Enhancing Memory」は、「Journal of Neural Engineering」に掲載されている。

関連キーワード

| 研究者 | 科学 | 南カリフォルニア大学

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  3. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  4. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  5. 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  6. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  7. 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  8. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  10. 「リンゴを○○で巻いて焼くとヤバい」 リンゴ農家がオススメする“意外な食べ方”に30万表示の反響 「絶対においしいやつ」