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「ねとらぼ」だから「虎坊」に行きたい――編集長の無茶ぶりから始まった、謎と神秘の「虎坊」探訪記謎の感動(1/4 ページ)

それは例によって、編集長の無茶な一言から始まった。「九州に行くならさ、虎坊ってところに行ってきてよ」。ええと、行くのはいいけど、そもそも虎坊ってどこ?

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時代は今「虎坊」なのだ

 2011年の末、僕は佐賀にいた。どこかで見たような書き出しだが、深夜バス「ライオンズエクスプレス」で東京へ帰る、まさにその10時間ほど前、とにかく僕は佐賀にいたのである。

具体的には、このへんにいました

 いったい佐賀に何の用があったのか? 取材と言えば取材なのだが、ええと、どこから説明したらいいものか……。単刀直入に言ってしまうと、佐賀県にある「虎坊(とらぼう)」という土地に用があったのである。

 そもそもの発端は、例によって加藤編集長の一言であった。

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「そういえばさ、“虎坊”って知ってる?」

―― いや、お店か何かですか?

「佐賀県にね、あるんだよ、虎坊」

―― はあ。(なんかイヤな予感……)

「でさ、ほら、うちって『ねとらぼ』じゃない。一度行ってみたいと思ってたんだよね、虎坊」

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―― あの、それってもしかして……。

「はい、じゃあコレ持って、行ってきてね!」

そして渡されたのがコレである。

ね!

 出てきたのは、ねとらぼの「ね」の文字。

―― えーと、ひょっとして「ね」+「虎坊」で「ねとらぼう」とかやらせようと思ってますか?

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「正解!」

 ……かくして僕は、「ね」の文字を持って、佐賀県にあるという「虎坊」を目指すことになったのであった。大丈夫かこのニュースサイト。

虎坊、意外にちっちゃかった

 さて、まずは下調べということで、地図で虎坊の場所を確認してみる。なにしろ僕も編集長から聞くまで「虎坊」なんて地名があることすら知らなかったのだ。Google先生に「佐賀 虎坊」で聞いてみると……出てきた出てきた。

大きい地図で見ると、だいたい九州のここらへん
「虎坊」、発見!

 どうやら目指す虎坊は、長崎本線の「牛津」駅から南へ2キロほど下ったところにあるらしい。福岡から牛津まではだいたい1時間ちょっとくらい。あくまで福岡取材のついでということなら、行くのはそんなに大変ではなさそうだ。

 ただ、場所は分かったものの、それ以上の情報はいくらネットを漁っても出てこなかった。というか、地図を見た時点で薄々気付いてはいたのだが――虎坊、ちっちゃくね!?

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 住所を見ると、「佐賀県小城市芦刈町浜枝川虎坊」とある。えーと、僕はてっきり市町村レベルだと思ってたんですが、なんか虎坊、すっげえ後ろの方にあります。これ、ひょっとしてものすごく狭い地名なんじゃないだろうか。

たぶん、このへん?

休日の牛津は静かだった

 結局、場所以外は何一つ分からないまま取材当日を迎えてしまった。まあ、最悪でもお巡りさんや地元の人に聞けばなんとかなるだろう――。そんな風に考えていた時期が私にもありました。

 結論から言うと、まあ、なんとかなったというか、そうでもなかったというか……。

特急かもめ19号で一路、福岡から佐賀へ
1時間後、無事に牛津駅に到着

 福岡を11時過ぎに出発し、牛津駅についたのはお昼を少し過ぎたころ。休日の昼間ということもあってか、駅前は閑散としており、周りに人の姿は見えない。いきなりタクシーで虎坊へ直行、という手もあったが、まずは地図の案内に従って、町役場方面へと歩いてみることにした。

駅前にあった観光案内板。イラストを見るに、ナス、イチゴ、ブドウあたりが名産だろうか
途中で見つけた交通安全人形。こ、怖い!
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