ニュース

波紋を呼ぶ「日本のゲームはクソ」発言――「数百人の視線と声で嫌な汗が流れた」日々是遊戯

開催中の「GDC 2012」で、インディーズゲームクリエイターのPhil Fish氏が発したコメントが話題になっている。発言当時の様子を、質問者本人に直接うかがった。

advertisement
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

日本のゲーム業界はこれをどう受け取る?

 インディーズゲームクリエイターのPhil Fish氏が、現在の日本のゲームについて聞かれ「クソだね(Your games just suck.)」と答えた件が波紋を広げている。すでに国内のゲームニュースサイトでも一部報じられているが、そのときの会場および壇上の様子を、Phil氏に質問を投げかけた本人に直接うかがった。

 Phil氏と言えば、開発中のゲーム「Fez」が、まだリリース前にもかかわらず多くのアワードを受賞するなど、今もっとも発言力のあるインディーズゲーム開発者の1人と言っていい。Phill氏の発言は、映画「Indie Game The Movie」についてのパネルディスカッションの中で飛び出した。

Phil氏が開発中のインディーズゲーム「Fez」

 質問したのは、日本から参加していたゲーム開発者の後藤誠さん(@SquashSesame)だ。映画の中で、日本の古いゲームとの対比が何度か出てきたことについて触れつつ、「私はそれを誇りに思う。最近の(日本のゲーム)はどう思いますか?」と後藤さんが質問すると、直後、Phil氏から「クソだね(Your games just suck.)」という答えが返ってきた。たちまち会場は、笑いや「ヒュー」といった声が混じり、一気に沸き立ったという。

advertisement

 後藤さんによると、その時はすぐに「suck」の意味を読み取れなかったが、周囲の空気感から意味を理解し、「数百人の視線と声で嫌な汗が流れた」そうだ。その後、別のパネリストからも意見があがり、「技術は凄い」「ゲームデザイナーが……」など、議論は数分にわたり続いた。後藤さんはパネリストの話が一巡するまでは聞いていたが、周囲の空気に長居ができず、席を移動してしまったという(一部報道には「すぐ立ち去ってしまった」とあったが、実際は席を移動しただけで最後まで会場にはいた)。

 その後Twitterで、後藤さんは「今日のIndie game the movie で英語で質問したことが何度もフィードバックして眠れない」などと発言しており、やはりショックは大きかったようだ。

Twitterでその後のショックを報告する後藤さん

 これまで公の場での発言こそなかったものの、海外ユーザーの間では近年、日本のゲームの「凋落」はしばしば議論の的となっていた。発言の後、ネット上ではPhil氏を非難する声もあがったが(Phil氏のTwitterは一時、ちょっとした「炎上」状態になったそうだ)、少なくとも当時、会場が「一気に沸き立った」ということは、この意見に賛同する人が少なからずいたということでもある。日本のゲーム業界(メーカーだけでなくユーザー、メディアも含めて)は、Phil氏の発言をもっと重く受け止める必要があるだろう。

 筆者の取材に対し、後藤さんは最後にこう付け加えた。

「次の日のインディーズのセッションでは、彼が日本のゲームの良さを話していたと間接的に聞きました。また企業に属さず開発を続ける、インディーズならではの大変さや、好きを追求する執念など、企業での開発と同じ感性では語れない部分もあると思います。このあたりの事情もくんで、どうかPhil氏や業界を中傷するような記事にはしないでください」

advertisement

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  3. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  4. 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  5. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  6. 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  7. 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  8. 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  9. 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】
  10. 「品数が凄い!!」 平愛梨、4児に作った晩ご飯に称賛 7品目のメニューに「豪華」「いつもすごいなぁ」【2024年の弁当・料理まとめ】