ニュース

2ちゃんねる発“実況文化”の興隆 「ンゴwwww」「麿」「マモノ」もここから広まったそれは感動の共有(1/2 ページ)

2ちゃんねるからネットの実況文化はまさに“感動の共有”。実況があればスポーツはより熱く、アニメはよりドラマチックに、B級映画はより名作になる。

advertisement

 7月2日、2ちゃんねる(2ch)の「NHK総合を常に実況するスレ」のスレッド数が7万7777を迎えた。縁起が良いラッキー7ということで、記念に書き込む人が多く見られた。このスレッドは、タイトルの通り「NHK総合の実況」を延々と行うところであり、始まりは2001年10月にさかのぼるなど、2chでも屈指の長寿スレとなっている。


パート77777に到達!

NHK総合を実況し続けるスレ

 人気アナウンサー登坂淳一氏の愛称である「麿(まろ)」が広まったのも、このスレによるところが大きい。NHKに限らず、実況板では「今、この瞬間の情報」を共有することができるため、常時多くの人が集まっている。そうすると自然と文化が生まれてくるもので、今回はそのような「2chの実況文化」についてまとめてみた。

実況板ってなんだ!?

 そもそも、2chにおいて実況する行為は、基本的にはNG。実況を認めてしまうと、あまり内容のない書き込みで埋まってしまい、スレが早く落ちてしまうからだ。実況する際には、専用のスレで行うことがマナーであり、そのために「実況ch」が用意されている。

advertisement

 2001年に芸能chとして新設された実況chは、次第に整備が進み、現在は主にテレビ局やスポーツ別に30種類以上に分類されている。ここでは思う存分実況することができ、皆でわいわい楽しむ感覚が味わえる。映画「コマンドー」などの一見B級に思われる作品も、実況と共に鑑賞すると、途端に面白くなってくるのだから不思議なものである。

 それでは、実況板ならではの文化を見ていこう。いくつか有名なものをピックアップしてみた。

  • マモノ

 「甲子園には魔物が棲む」という格言と、ドラゴンクエストの荒くれが合体して生まれたキャラで、波乱を司る存在。大逆転やエラーが起こるのは「マモノの仕業」であり、選手だけが悪いのではない。そんな実況民の優しさも相まってカタカナ表記となっている。このちょっとかわいらしいAAの種類は非常に豊富で、高校野球をはじめとした多くのスポーツ実況のたびに張られている。

  • 松木タイピングスレ

 熱血的なサッカー解説に定評のある松木安太郎氏の言葉をタイピングしていくもの。居酒屋で一緒に居合わせているような雰囲気のなか、試合を見ながら氏のアツい言葉を打ち込んでいく。2008年頃から定番のスレとして親しまれている。


松木タイピングスレ★1より
  • ピンつま

 日曜夕方の名物番組「笑点」の大喜利に出演する三遊亭好楽氏への声援を指す。好楽さんがピンクの着物を着ていることに加え、披露するネタが基本的におもしろくないことから、ピンクつまんね、略して「ピンつま」である。ちなみに、好楽さんに限らず実況板では、大喜利の各メンバーを「色」で呼ぶことが常となっており、こういった作法は、髪色でキャラを判断するような昨今のアニメの鑑賞法にも受け継がれている。

advertisement

笑点の実況より
  • こなああああああゆきいいいいいい

 レミオロメンの代表曲「粉雪」のサビ部分。目一杯声を張り上げて熱唱する様子に、2005年末から共感する人が急増。一体感を感じられる言葉として人気になった。「ニコニコ動画」の初期から愛されている弾幕(画面を同じコメントで覆い尽くすこと)でもあり、一過性のブームを超えて定着している。


レミオメロン「粉雪」特設会場 Part2より
  • 市況1のスレタイ力

 国内株式市場の実況をする「市況1」では、各企業の情勢を圧縮したタイトルがスレッドにつけられることがままある。悪ノリの要素も多いが、洒落たものも時々あり、住民のセンスがうかがえる。

(例)オリンパス

【7733】オリンパス【前社長が爆弾投下】

【7733】オリンパス【阿鼻叫喚!】

【7733】オリンパス【ホルダーの心が折リンパス】

【7733】オリンパス【1000円の攻防】

【7733】オリンパス【FBI調査】

【7733】オリンパス94【ライブドアと何違う?】

【7733】オリンパス117【スージー様はやりたい放題】(実質118)

【7733】オリンパス134【GSイチぬーけたっ】

【7733】オリンパス143【存続をかけた戦い】

【7733】オリンパス153【上場維持決定】

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  7. 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  8. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  10. 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響