いよいよオープン! 写真で見せます「館長 庵野秀明 特撮博物館」
会場限定で見られる短編映画「巨神兵 東京に現わる」も見逃すな。
東京都現代美術館の企画展示「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」が7月10日よりスタートする。
スタジオジブリ協力のもと、「ふしぎの海のナディア」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」などで知られる庵野秀明氏が“館長”に就任。実際に撮影で使われたミニチュアや着ぐるみ、デザイン画などを大量に展示しつつ、日本が誇る「特撮」技術の粋を未来へと伝える。会場で上映される短編映画「巨神兵 東京に現わる」にも注目が集まっている。
庵野氏の「特撮」への想いについては、以前の発表会リポートでも触れたとおり(関連:「エヴァの原点はウルトラマンと巨神兵」――庵野秀明が語り尽せない「特撮」への愛)。庵野監督と言えばアニメ作品のイメージが強いが、その創作活動の原点は「ウルトラマン」などの特撮作品にあった。
そんな庵野監督が本気で挑む、今回の「特撮博物館」。果たしてどんなものになったのか? オープンに先駆け、一足早くその中をのぞいてきた。
館内は「人造」「超人」「力」などいくつかのコーナーに区切られており、膨大な数のミニチュアや小道具がテーマに沿って並べられている。「ゴジラ」や「モスラ」、そして「ウルトラマン」――。展示されている作品の数は数十にものぼり、特撮全盛期をリアルタイムで体験した「特撮ネイティブ」世代にとって、このあたりはたまらない展示だろう。
中ごろに設置されたシアターでは、今回の目玉とも言える短編映画「巨神兵 東京に現わる」を見ることができる。企画・庵野秀明、監督・樋口真嗣。わずか9分間のショートムービーだが、その密度と熱量はすさまじい。ミニチュアの街を、巨神兵のプロトン・ビームがなぎ払う一連のシークエンスだけでもこの「特撮博物館」に足を運ぶ価値はある。
その後のメイキング映像もぜひ併せて見てみてほしい。あの巨神兵の動きはどうやって撮っていたのか、どうすればあんな風にビルが壊れるのか――。手品のタネに感心し、一方では、いい絵が撮れるたびにまるで子どものようにはしゃぐ樋口監督やスタッフの姿が印象に残った。
このデジタル時代に、わざわざミニチュアのセットを組み立てて、エアーの圧力でビルを粉砕するなんて馬鹿げたことだと思うかもしれない。でも、あの巨神兵の威圧感と、美しい破壊の描写には、「特撮ってやっぱりスゴい!」と思わせるだけの説得力が十分にあった。
「2009年の7月、樋口(真嗣)くんたちと飲んだとき、特撮の現場を取り巻く現状を聞かされて、ものすごい危機感を持ったんです」(庵野氏)
7月9日のオープニングセレモニーには、庵野氏や樋口監督らも駆けつけた。今や特撮はCGに取って代わられつつある。かつて使われたミニチュアや小道具たちも次々と破棄され、いま保存しておかなければ、いつかは永遠に失われてしまう。消えゆく特撮のために、何かできることはないか――。そんな思いが、今回の企画の出発点だった。
「(特撮は)日本が世界に誇れる映像技術です。CGだけではない文化がこの中には詰まっている。これは口で説明できるようなものじゃない。ぜひ自分の目で見て、感じてみてほしい」(庵野氏)
開催期間は10月8日までの約3カ月間。観覧料は大人、大学生が1400円、中学生900円、小学生400円。
今回は期間限定での開催となるが、まずはこれを成功させて次につなげたいと庵野氏。次の目標はもちろん、常設の「特撮博物館」だ。
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