音楽ゲーム? ストラテジー? 謎が謎を呼んだ「orgarhythm(オルガリズム)」とは結局なんだったのか:日々是遊戯
「どんなゲームかさっぱり分からない」と話題騒然のあのゲームがついに発売に。
「スペースチャンネル5 パート2」や「Rez」「ルミネス」などを手がけた平井武史氏の新作「orgarhythm(オルガリズム)」が8月9日、PS Vitaで発売された。
遊んでみて思ったのは、このゲーム、これまで平井氏が関わってきた作品とは一つ、決定的な違いがあるということ。
「Rez」も「ルミネス」も言ってしまえばバーチャルドラッグのようなもので、ゲーム要素なんてあってないようなものだった(だから良かった)。ところが本作、一言で言うと、ムッズいんですよ! 序盤はともかく、中盤以降はかなり忙しく頭と指を動かさないとクリアできないし、後半のステージになると、ちょっとリズムがズレただけで総崩れになってしまう。これまでの作品よりもかなりゲーム寄りな作りになっいて、最初はちょっと面食らった。
ゲーム内容は、一言で言えば「タワーオフェンス+リズム要素」。開発にあたっては「Anomaly Warzone Earth」というゲームの影響を強く受けたという。
プレイヤーは「光の神」となり、自分をあがめる「光の民」たちを引き連れ、わっしょいわっしょいと踊りながらルート上を練り歩いていく。道中には敵である「闇の民」が待ち構えており、プレイヤーは民に指示を与えてこれを迎え撃つ。“タワーディフェンス”と違って、自分がルートに沿って侵攻する側だから“タワーオフェンス”というわけだ。
面白いのは、ここに「リズム要素」が加わっている点。民への指示は画面のアイコンを指でタップすることで行うが、BGMのリズムに合わせてタップできると民のレベルが上がり、音楽もどんどん豪華になっていく。逆にズレているとレベルが下がり、音楽もヘナヘナになっていく。
タワーオフェンス自体けっこう頭を使うゲームなのに、これにリズム要素まで加わると、もはやちょっとした「脳トレ」状態。「Rez」や「ルミネス」のまったりとしたプレイフィールとは正反対ですね――と平井氏に言ったら「もうそういうのは飽きました(笑)」だそう。勝手にあの路線が持ち味だと思っていただけに、内心ちょっと「えええっ!」とびっくりした。
本作はもともとアクワイア側から「音楽ゲームをやりたい」と平井氏に提案したのが出発点。「濃い」ゲームはお手の物のアクワイア(でも音楽ゲームのノウハウはない)と、かたや音楽ゲームにかけては一級品の平井氏。この二者が組み合わさって生まれたのが「orgarhythm(オルガリズム)」なのだそうだ。
「Rez」や「ルミネス」に比べると敷居はむちゃくちゃ高いが、リズム・音楽・攻略の各要素がドンピシャリと重なった瞬間の高揚感は、練習を重ねてようやく難しい曲が弾けるようになった時のうれしさに近い。プレイヤーがより能動的に音楽と関わっていく、新しい「音楽とゲームの融合」を見せてもらった気がする。
ところで本作、プレイヤーの後ろを踊りながらくっついてくる民たちが「スペースチャンネル5」みたいだなあ、と思っていたら、「スペースチャンネル5」でうららの中の人(モーションアクター)を演じたNAHOさんが、本作でも一部モーションを担当しているそう。うららファンの人は、これだけでも遊ぶ価値アリですよ!
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確かにリアルだけど、そこまでかなあ、という気も。
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