ネットで空前の将棋ブーム!? 竜王戦第2局、羽生三冠の解説が大人気
ハッシー事件や王座戦の△6六銀について本人の口から語られた。あの故・村山聖九段の名前も……!
11月1日に行われた第25期竜王戦7番勝負第2局・2日目。ニコニコ生放送の大盤解説を羽生善治三冠が担当し、話題になった橋本崇載八段のインタビューに言及するなどライブ配信を盛り上げた。
対局は渡辺明竜王が優勢に進め、午後2時半に勝利。“午後のおやつ”前のスピード決着となった。勝負後半には、羽生三冠が「劣勢になった丸山忠久9段は投了のタイミングが速い」と述べ、ニコ生のアンケート機能を使って「ねばる/ねばらない」を問うなど、ネットならではのやり取りもあった。
番組では「NHK杯のハッシー」に関するコメントが多く流れ、藤田綾女流初段が読み上げると、「控え室では音声が流れなく映像だけ。それでも雰囲気で何かやったんだろうなと分かった」「放送で内容を把握した。みんなが真似しだしたらどうなるんだろう(笑)」と、当時の様子を明らかにした。
カレーを箸で? 羽生伝説の真相にも言及
700通を超える質問メールや続々と寄せられるコメントに対し、羽生三冠は随時応じていく。「食事中の脳トレのために、カレーを箸で食べるのは本当ですか?」という問いには「カレーはスプーンですよ。箸で食べたことがあるかもしれないが、スプーンがなかったから」と答えるなど、都市伝説のいくつかには終止符が打たれた。インターネットにより将棋の楽しみ方が増えたことには「5年前には考えられなかったこと」と歓迎していた。
さらに対局が早めに終了したことから、第2部では先日の第60期王座戦第4局の解説が初手から行われ、視聴者は大盛り上がり。これは羽生三冠が劣勢の局面から「△6六銀」を繰り出し「千日手」を導いた1局で、指し直しの末に渡辺竜王から王座を取り返している。伝説の1手「▲5二銀」に並ぶ「△6六銀」は“詰めろ逃れの詰めろ”の手。詰めろとは「攻めの手番だと詰んでしまう状態」のことで、受けるか王手をかけるかしないと決まってしまう。△6六銀は「最後の最後にみつけた手」であり、「いけるかどうかは半信半疑」「ほかに手がなかった」と、本人の口から語られ、ファンには思わぬ大収穫となった。
また、試合序盤の居飛車と四間飛車の形勢が、本局の観戦記を記した河口俊彦七段と故・村山聖九段による20年以上前の対局と同じ形であることなど、羽生三冠が「村山くん」とコメントしながら丁寧に解説する姿に感嘆の声が上がっていた。
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