匠の技が新たな命を吹き込んだ「ウルトラ九谷焼」[2/2]:ウルトラマン×伝統工芸
世界を代表する特撮シリーズと、とある地方都市のコラボレーションの物語。
九谷焼のふるさとである石川県能美市は、昨年に市制7周年を迎えた。ウルトラファンのみんなは『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』の製作に参加していた脚本家、佐々木守(1936-2006)を知っているかもしれないが、実はこの能美市(旧根上町)の出身なんだ。ま、それにしても能美市はウルトラヒーローたちよりずいぶんと若いんだけどね。
そんな能美市と、人気の特撮シリーズとの関わりは、円谷プロとのコラボレーションで2004年に小さなテーマパーク「ウルトラスタジアム」をオープンさせたことにはじまる。いったんは2007年に閉鎖されたウルトラスタジアムだったが、存続を求めるファンの声は強く、翌年には再開している。つまり、能美市は「ウルトラ市」を目指しているわけだ。
市制7周年を記念して、能美市ではウルトラ「セブン」に引っ掛けたイベントがいくつも開催された。その人気たるや凄まじく、そこで九谷焼によるオリジナル作品として、ベテラン作家の手になるバルタン星人、ウルトラマン、カネゴン、ピグモン……という一連のシリーズが製作された。しかしウルトラマンが最初の一作でなかったんは、なぜなんだろう?
そして今年、新たな展開として若手女性作家による製作となったのが、ウルトラセブン、エレキング、メトロン星人というわけだ。しかも能美市に出かければ、白磁のフィギュアに自分で絵付けをして、焼き上げて、自分だけのウルトラ九谷焼を持って帰れるというワークショップもあるという。それに、作家のシリーズも販売が検討されているとか……というわけで、ちょっと目が離せないハナシになっているのだ。
原文:Ultra Characters Recreated Using Kutani Techniques [2/2]
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