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まるでラピュタの世界 カンボジアのベン・メリア遺跡で探検気分を味わった

崩壊が進み、修復されないまま森のなかにひっそりとたたずむ巨大寺院をご存知?

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 昨年8月の終わりに初めてカンボジアへ行ってきた。5日間の旅で世界遺産のアンコール遺跡群をこれでもかと堪能した。カンボジア旅行のベストシーズンは乾季の11月~5月と言われている。8月は雨季なので、しばしば目の前が真っ白になるほどのスコールが降り、雨上がりの強烈な湿気にさらされた。最近は東京も負けないくらい暑いけどね!


アンコール・ワット

この空を思い出すだけでまた行きたくなる

 加えて筆者の場合は、最終日に食あたりになってしまい、15分に1回くらい襲ってくる腹痛と吐き気をなんとかやりすごしながら帰るハメになった……。ゆえに改めて振り返ると過酷な旅だったのだが、帰国してからはずっとあの熱帯の空気が無性に恋しく、コンクリートジャングルな東京で時折思い出しては現実逃避している(遠い目)。

 カンボジアは日本人に人気の旅行先の1つだ。とくにアンコール・ワットは、トリップアドバイザーの調査「行ってよかった海外観光スポット」で3年連続1位に選ばれている。夜明けから時間とともに変化する風景が素晴らしく1日中いても飽きない。筆者は朝焼けを前に感動し「う、うわーー」と間抜けな声が出た。

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美しすぎるものを見たとき人は間抜けな声が出ると知った

 もちろん、カンボジアはそれだけじゃない。遺跡ならばアンコール・トム、タ・プローム、バンテアイ・スレイなどなど、ほかにも見所満載だ。長期バカンスが当たり前の欧米人ならともかく、限られた日程で欲張りに楽しもうとする人にとっては、旅のプランを立てるのが悩ましい……けどそれがすごく楽しい国だと思う。


雨上がりのアンコール・トム。暑さでふらふらしながら撮った1枚

バイヨン寺院の菩薩。観光客相手の踊り子さん(?)もいた

タ・プロームにある木は絡まり具合がすごすぎた

 さて前置きが長くなったが、筆者がこの旅で絶対行こうと思っていたスポットがあった。それが「ベン・メリア」。あの「天空の城ラピュタ」のモデルとも噂される巨大寺院だ。建物の一部は崩壊が進み、修復されないまま森のなかにひっそりとたたずんでいる――そんな情報を聞くだけで冒険心がくすぐられ、憧れていた。

 場所はアンコール・ワットのある町シェムリアップから50キロほど離れている。旅行会社のツアーに申し込むなどしてガイドと車をチャーターするのがおすすめだ。筆者は当日朝8時半にホテルを出発した。目的地まではおよそ1時間。舗装された道を進む。午前中の涼しい風を受けつつ車窓の景色を楽しんで快適なドライブだった。


車窓から見えた市場が賑わっていた。楽しそう

 そして到着。入り口へ向かって歩き始めると早速積み上がった大きな石のカタマリが見えてきた。なんじゃこりゃあ! 柱やら石垣やらが崩れて元の形が想像できないほどになっている。石のゴロゴロ感と緑のバランスがすごくラピュタっぽい。


なんか見えてきた

ゴロッゴロ

元の形が想像できない

石のデカさがお分かりいただけるだろうか

 続いてなかの回廊を進む。筆者を案内してくれたカンボジア人のガイドさんが「歩きやすい簡単な見学ルートとちょっとハードな探検ルートのどっちがいい?」と聞いてくる。迷わず「探検ルートの方で!!!」と答えたらベニヤ板を渡しただけの橋を渡り、ものすごい狭い隙間から中へ入るように言われた。

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歩きやすいルート(奥)ではなく手前のベニヤ板を渡る

えっここを通るの!

 想像してみてほしい。隙間を抜けた先に何が待っている分からないドキドキ感。インディ・ジョーンズにでもなったかのような気持ち。これがベンメリアの魅力だ。手と足を使って石を乗り越え、こけないよう細心の注意を払いながら奥へ! 奥へ!(※必ずガイドさんの案内に従いましょう)


隙間の先に道はなかった……石を乗り越え先を目指す

 たどり着いたのは光がほとんど届かない静かな場所。しかも涼しい~。汗をぬぐってほっと一息。神秘的な雰囲気に酔いしれる。影からロボット兵がひょっこり現れてもおかしくないかも?


光が届かない場所もある

 再び整備されたルートに戻り、壁に残された彫刻や絡まる木、一面を覆うコケなど遺跡と自然の一体感を楽しんだ。


崩れかけている雰囲気が良い

柱の装飾が残っているところも

探検気分を味わえる

上のほうまで登ってみた。ベン・メリアはスニーカー必須です

整備された見学ルートもあります

ここでも絡まる木

コケに覆われて目に優しい感じ

アンパンマンみたいな彫刻は花のつぼみだそうです

この先のジャングルで地雷が撤去されたことを示す標識

 遺跡好きにはたまらないカンボジア。これから秋にかけて観光しやすいシーズンに突入する。ちょっと遠くへ出かけたい、遅めの夏休みを取りたい――そんな方はいかがだろうか。

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