名古屋テレビ塔にラスボス降臨！　2万人が大興奮したツアーファイナル「ニコニコ町会議 in 名古屋」（2/2 ページ）

ツアー全体の想いを伝えた、MC百花繚乱の涙

　会場のちょうちんに明かりがともり始めた午後5時30分ごろ、公園各地でそれぞれ楽しんでいた来場者たちは、エンディングセレモニーのためにテレビ塔下に集結。収まりきらない人もタワーを囲んで、とんでもない密度だ。

　登壇した出演者やボランティアスタッフのあいさつも終え、幕を閉じようとしたとき、運営が大事な人を紹介する。

　「ある人を忘れていませんか？」

　MCのネットタレント、百花繚乱さんだ。ツアー全公演の司会を果たすばかりか、猛暑のなか、鉄板でたこ焼きを焼いては来場者たちに無料でふるまい続けてきた。

　紹介を受け、目を潤ませてのごあいさつ。震えた声で、「ファイナルが悲しくて仕方ありません」となんとか笑顔を見せる。先ほど「ご当地Minecraft」で振り返ってきた、ツアー7会場の様子が脳裏に浮かぶ。「がんばれー！」「りょうらあああん」と叫ぶ人も涙をぬぐう人もいる。

　「みんなで集まってニコニコ町会議を盛り上げることができたと思っています」

　しっかり告げた繚乱さんは、現場と今までの来場者、コメントユーザー、これからのニコニコファンにまた会えることを願って、「本当にありがとうございました！」と腰まで深くおじぎした。頭のバンダナに描かれたニコニコテレビちゃんがこちらを向く。ニコニコ町会議の顔ともいえる彼に、惜しみない拍手が送られた。

　感極まったテンションのまま、出演者と参加者でアニメ「進撃の巨人」の主題歌「紅蓮の弓矢」を大合唱。運営の暗躍で曲が5回も繰り返された。サイリウムを手に踊るサークルが発生するなど、大いに盛り上がったのち、出演者たちはさよならを告げて舞台から降りていく。客席はまだ見ぬ大物を期待してざわつく。

　「見えてる！」

　何かを発見した声が客席から出始める。え？　あ！　見えてる！　さっき扉が閉まったコンテナステージの隙間から、キラキラひらひらした白い裾が、見えてる！！

名古屋テレビ塔にラスボス降臨

　一気に照明が暗くなり、大太鼓とストリングスの壮大なイントロが流れる。大歓声の中、コンテナの扉が上がっていく。ステージには「小林幸子」の黒文字が入った赤ちょうちんが並んでいる。

　目を細めてほほ笑むラスボスが現れた。

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　「幸子ぉぉー！」

　その名前を叫ぶ黄色い声や野太い声がひっきりなしだ。幸子さんはラメ入りの白いドレス姿に、白マントを羽織って肩に銀のアクセサリーを光らせる。超パーティーの8メートル級黄金衣装「火の鳥」と比べるとシンプルだ。かえって洗練されたオーラに大興奮。

　ビブラートたっぷりに1コーラス歌うと、「おおおおおお」と歓声の嵐。曲はポケットモンスターの映画「ミュウツーの逆襲」の主題歌「風といっしょに」だ。そのままAメロが始まっても「やばい」「すげえ」と場内のざわつきはやまず、紅白33回出場の生歌に興奮し続ける。サイリウムや町会議のうちわや伸ばした手を横にゆらし、テレビ塔でドリーミングな空間をつくりあげる。

　「ファイナルでみなさんにお会いできてすごく嬉しいです」

　1曲歌い終え、愛嬌あふれるMCをはじめる幸子さん。客席からのラスボスコールに喜ぶと、「みなさんと会えたことがすごく楽しく、新しい発見です」と、ニコニコユーザーとの出会いについてにっこり。世界中の配信先に向かって、「これからもニコ動をよろしくぅっ！」と、演歌歌手ならではの力強い声でメッセージを送った。

　最後はマント代わりに赤いはっぴを着て、投稿で話題となった「ぼくとわたしとニコニコ動画」を披露。夏感満載の音頭に合わせ、ステージに再び降臨した出演者たちと来場者が、フィナーレ恒例の盆踊りを踊る。

　初めてコメントを投稿したときの感動など、ニコニコユーザーならではのあらゆる気持ちを大御所が歌いあげる。ステージには大好きなニコニコ有名人がいる。みんなで手拍子「パパンがパン」。この日一番の一体感が生まれ、幸せいっぱいの名古屋の町会議はお開きとなった。

　日本列島各地を巡った「ニコニコ町会議　全国ツアー」。次にニコニコカーが笑顔を届けに来るのはあなたの町かもしれない。