安倍首相がサプライズ登場で振り駒 「第3回将棋電王戦」対戦カード発表、小田原城も会場に
「第3回 将棋電王戦」の発表会に登場した安倍首相。「ニコニコ動画は思い出深い場所。参議院選や総裁選時も出たので、ホームグラウンドだと思っている」と話した。
ドワンゴと日本将棋連盟は12月10日、「第3回 将棋電王戦」の記者発表会を開催し、対戦カードの詳細を発表した。会見中、サプライズゲストとして安倍晋三首相が登場し、対局の先手・後手を決める「振り駒」を行い、第1局の先手はプロ棋士に決まった。第2局以降は、手番を入れ替えて交互に指される。
振り駒役については、将棋連盟の谷川浩司会長が「すごい方がいらっしゃいます」と予告し、ドワンゴの川上量生会長が「第1回、第2回の振り駒は自分が担ったが、勝負に影響を与えてしまうので嫌だった。もっとしかるべき方にやっていただきたい」とコメントするなど、ハードルを高く上げていたが、まさかの現役首相の登場に、ネットの視聴者も盛り上がった。
安倍首相の振り駒は、5枚全てが“表”となる珍しい結果となり、感想を求められると「(振り駒は)初めての経験だったが、気持ち良かった。今年は富士山や和食も世界遺産に登録された。将棋もクール・ジャパンとして世界に発信していきたい」とコメントした。
今回登壇した経緯は「官房長官から話があった」と明かし、「ニコニコ動画は思い出深い場所。参議院選や総裁選時も出たので、ホームグラウンドだと思っている」と続けた。電王戦については「コンピュータは淡々と勝ちに向かう。人間は感情や意志があり、そこが面白い。場合によっては“負けない”ことを目指し、前回も引き分けに持ち込んだ勝負(塚田九段 VS Puella α)があった。何勝何敗何引き分けかにも注目したい」と語った。
第3回将棋電王戦の対局日程は以下の通り。対局会場は、「第1局:有明コロシアム」「第2局:両国国技館」「第3局:あべのハルカス(55階)」「第4局:小田原城(銅門)」「第5局:将棋会館」と、大トリをのぞいて異例の場所が選ばれた。
出場者からは、「電王戦トーナメントでやねうら王は11局中10局が(コンピュータ将棋ではやや有利とされる)先手だった。今回も良い場所で運営に手心をくわえてもらった? と思ってしまう」(磯崎さん)「小田原城とは風流でいいですね」(一丸さん)「僕もお城が良かった(笑) 第4回では期待しています」(山本さん)など、さまざまな反応があった。
- 第1局:3月15日、有明コロシアム(東京) 菅井竜也五段(▲先手) VS 習甦(竹内章)
- 第2局:3月22日、両国国技館(東京) 佐藤紳哉六段 VS やねうら王(磯崎元洋、岩本慎)(▲先手)
- 第3局:3月29日、あべのハルカス(大阪) 豊島将之七段(▲先手) VS YSS(山下宏)
- 第4局:4月05日、小田原城(神奈川) 森下卓九段 VS ツツカナ(一丸貴則)(▲先手)
- 第5局:4月12日、将棋会館(東京) 屋敷伸之九段(▲先手) VS ponanza(山本一成、下山晃)
ちなみに、今回のマシンスペックで各ソフトが秒間に読める局面は「習甦:400万」「やねうら王:400万~500万」「YSS:400万」「ツツカナ:600万」「ponanza:300~400万」とのことだが、最近のコンピュータ将棋の傾向は、評価関数を重くして読む量を減らす方向にあるため、数字はあくまで強さの目安でしかないそうだ。
また特別協賛には、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)と日産自動車、おやつ協賛にローソンが決定。出場者MVPに日産エルグランド、視聴者にもデイズルークスがプレゼントされることが発表された。ただし、豊島七段、森下九段は運転免許を持っていないとのこと。
さらに、今春行われた「第2回将棋電王戦 第3局」のリベンジマッチとして、大みそかに「船江恒平五段 VS ツツカナ」の開催が決定。移転してリニューアルする原宿のニコニコ本社最後の晴れ舞台として、会場を電王戦仕様に作り変えるという。対局は、前回と同様のルールで、ハードも第3回と同じものを使用する。
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