ニュース

キャットフード「モンプチ」が人間用レストラン開店 猫の気持ちを味わってきた

キャットフード「モンプチ」が手がけたレストラン。人間用メニューなのですが、果たしてお味は……。

advertisement

 この際、正直に言う。私はキャットフードを食べたことがある。実際に食べてしまった人はそう多くないにしても、食べてみたいと思ったことくらいは……あるでしょう? なにしろ、昨今のキャットフードはこってりとした豪勢なものだらけなのだ。

 その食欲をそそる餌を逆手に取った、キャットフードをイメージしたコース料理を楽しめる「レストラン モンプチ」(東京・西麻布)が、2月21日(金)~2月24日(月)の期間限定でオープンする。キャットフード「モンプチ」を販売しているネスレ ピュリナ ペットケアが手がけた。完全予約制で先行予約はもう終了しているが、現在先着順で若干名追加募集している(予約専用電話番号:03-5423-6720)。


隠れ家レストランのようなたたずまい

 会場に入ると、まず一人ひとりに脳波で動く猫耳「necomimi」が配られた。このレストランのコンセプトは、「猫の気持ちになる」。まずは形からだ。

advertisement

レストラン内では必ず着用のこと

 necomimiの着用方法は猫の執事が教えてくれた。ただし、猫語しか喋れないので通訳付きだ。


右側の女性が猫語を同時通訳

猫耳集団

筆者も張り切って着用

 無事猫耳の装着が済んだら、リアルタイムモーションキャプチャで猫の姿になれるアトラクションを体験。目の前の画面には、自分とまったく同じ動きをする猫が現れる。役作りはバッチリだ。私は猫。私は、猫。


にゃーん

 そしていよいよ、レストランスペースでフルコース料理の時間だ。フランス料理の巨匠フィリップ・バットン氏が開発したオリジナルメニュー。「モンプチセレクション(缶)七面鳥のテリーヌ仕立て」「モンプチプチリュスクR(カップ)ささみ~とろみスープ仕立て~」など、実際に世で売られているキャットフードに即した料理となっている(もちろん、使っているのは人間の食材なのでご安心を……)。

 まずは前菜5品。「七面鳥のテリーヌ仕立て」「2種の魚介のクリーミースープ ~あさりとホタテのハーモニー~」「まぐろのかつおぶし添え ~タルタル仕立て~」「チキンとターキー味の贅沢ブレンド 味わいチーズ粒 ~カリカリ2色ビスケット添え~」「ささみのとろみスープ仕立て」。


「七面鳥のテリーヌ仕立て」

「2種の魚介のクリーミースープ ~あさりとホタテのハーモニー~」

「まぐろのかつおぶし添え ~タルタル仕立て~」

 テリーヌ、クリーミースープ、まぐろのタルタル、と口に含む。確かにおいしい、どれもいわゆるフレンチの味わいなのだが……、何か引っかかる。テリーヌはこってりとコクがあるし、スープは魚介の旨味が効いている。まぐろはピリッとした味付けがよく合う。おいしいのは間違いないが、どこか釈然としない気持ちで食べ進める。

advertisement

「チキンとターキー味の贅沢ブレンド 味わいチーズ粒 ~カリカリ2色ビスケット添え~」

「ささみのとろみスープ仕立て」

 食べながら感じていたその形容しがたい気持ちは、カリカリ2色ビスケットを食べたときにわかった。「餌を豪華な盛り付けで食べている」、ものすごくそんな気持ちになっていたのだ。「猫の気持ちになれる」レストランで、「キャットフードをイメージした料理」を食べているのだから、当たり前と言えば当たり前ではある。しかし、お皿にキレイに盛り付けられた乾いたペットフードのようなカリカリビスケットや、猫缶に入っていそうなとろんとしたささみを咀嚼(そしゃく)するのは、なかなか味わえない体験だ。


猫執事たちが給仕してくれる

猫耳をつけてお食事

 メインディッシュのお肉「ビーフのグリル デミグラスソース風仕上げ ~ズッキーニとにんじんを添えて~」、お魚「白身魚のグリル イタリアンソース風仕立て ~にんじんとトマトを添えて~」も、ご丁寧にお肉は小さくカットされ、魚は細かくほぐされ、見事なまでに“猫の餌”らしさを演出していた。そうか、これが猫の気持ちか。


「ビーフのグリル デミグラスソース風仕上げ ~ズッキーニとにんじんを添えて~」

「白身魚のグリル イタリアンソース風仕立て ~にんじんとトマトを添えて~」

デザート「クリスピーキッス風焼き菓子とモンプチ特製クレームキャラメル」

 何にせよ、「猫が人間の食べ物っぽいものを食べる」の逆の、「人間が猫の餌っぽいものを食べる」は、ありそうでなかった。そして、耳、目、舌、と五感から強制的に猫にさせてくるこのレストランは、今この日本で最も“猫そのもの”に近づける場所であることは間違いない。人は、何かを好きになると、その対象物と同化したくなるとはよく言う。ここは、猫と同化したいほど猫を愛する者たちの楽園である。

朝井麻由美(@moyomoyomoyo)は、体当たり取材・イベント取材を得意とするフリーライター。一風変わったスポットに潜入&体験した記事は100本を超える。主に「週刊SPA!」や「DIME」などの男性誌で執筆するほか、「日刊サイゾー」ではB級スポットを巡る「散歩師・朝井がゆく!」を好評連載中。ゲームと雑貨とパズルが好き。コスプレするのもわりと好き。ウニとイチゴがあればだいたいご機嫌。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  3. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  4. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  8. 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  9. 【今日の難読漢字】「男衾」←何と読む?
  10. 「リンゴを○○で巻いて焼くとヤバい」 リンゴ農家がオススメする“意外な食べ方”に30万表示の反響 「絶対においしいやつ」