オードムーゲを食べたい → 食べてみた:食べるな(1/2 ページ)
「オードムーゲあります!」のアレです。
オードムーゲをご存じだろうか。薬局などの店頭でよく「オードムーゲあります!」と盛大に自己アピールしているアレだ。
かくいう僕も実は「オードムーゲ」が何なのかよく分かっていない。とりあえず薬局で扱ってるんだから体にいいものなんだろう。僕の予想ではたぶん健康食品だ。
そんなことを考えていたら、急にオードムーゲが何なのか気になってきた。よし、オードムーゲ、いっちょ食べてみようじゃないか。
意外とみんな知らない
その前に、そもそもみんなオードムーゲを知ってるんだろうか。逆に知らないのは僕だけで「実は常識!」とかだったりしたらどうしよう。不安になったので社内でアンケートをとってみた(近くにいた20人に口頭で質問)。
- 知ってる 4人
- 名前は知ってる 9人
- 聞いたことない 7人
「知ってる」と答えた人は20人中わずか4人。よし、とりあえず「僕だけが知らない」ということはなさそうだ。一方、意外だったのは「聞いたこともない」という人もけっこう多かったこと(20人中7人)。どうやら例の「オードムーゲあります!」ののぼり、どこにでもあるというわけではないらしい。
ついでに「名前は知ってる」「聞いたことない」と答えた人に、「どんなモノだと思う?」と聞いてみると、「化粧品じゃない?」「育毛剤だと思ってた」「いや精力剤だよ」と見事にバラバラな答えが返ってきた。これほど「名前から中身が想像できない」商品というのも珍しい。
ちなみに僕のイメージではこんな感じだ。ぱっと聞いて食べ物だと思ったのは「オートミール」と語感が似てるからだと思う。
オードムーゲを買いに行こう
さて、妄想も膨らんだところで本物のオードムーゲを買いに行ってみよう。地元の薬局へ行ってみると、あっさり売ってるのを発見した。
それにしてもこの店、オードムーゲコーナーの充実っぷりがすごい。いつもは「オードムーゲあります」ののぼりしか目に入っていなかったが、あらためて見るといろんなPOPがあることに気付く。
「毎日のスキンケアに」「お肌の健康を守る」――とりあえず肌に良いものなのは間違いなさそうだ。しかし、よくよく見るとこんなことも書いてある。「汚れを落として、お肌すっきり」「にきび、ふき取り、乾燥に」「必ず!! コットンでふき取る」……。
うすうす感づいていたことだが、ここにきて1つの疑惑が持ち上がってきた。もしかしてオードムーゲ、健康食品じゃないんじゃね……?
お店の人におそるおそる「すいません、オードムーゲって何ですか?」と尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。
「これはね、ふき取り化粧水って言うんですよ」
ふ、ふき取り化粧水!!! これで食べ物のセンは完全に消えた。しかし「ふき取り」ってなんだ。普通の化粧水とは違うのか。
「普通の化粧水は肌にしみこませて使うものですけど、オードムーゲはサッとふき取って使うんです」
詳しく話を聞いてみると、どうやら化粧水というよりは消毒薬のような使い方をするようだ。肌の菌をふき取って清潔に保つことで、ニキビや肌荒れを防ぐことができるらしい。女性の化粧落としにも使えるそうだ。
でもやっぱり食べたい
せっかくだからと1本買って帰ってきた。160ミリリットルで1本970円(税抜)。「もしかしたら食べられなくはないかもしれない」という未練がまだちょっと残っていた。
それにしても、ホントにシンプルなパッケージだ。正面にはでっかく「EAUDE MUGE」と書いてあるだけで、詳しい説明は裏面まで見ないと分からない。ちなみに「EAUDE MUGE」はフランス語で「すずらん水」という意味らしい。オードは「オードトワレ」のオード。要するに水という意味だ。
フタを開けて手に取ってみると、確かにすずらんのようなさわやかな香りがする。ハンドクリームのように塗ってみると、少しだけ肌がしっとりした感じがした。一応、ちょっとは保湿効果もあるようだ。
しかし、やっぱり気になるのはその味だ。「食べる」のは無理だが、なめてみるくらいは大丈夫じゃないか? ダメかな、でも気になる……。
ガマンできずにペロッといってみた。
……甘い。薄めの砂糖水のような甘さ。「すずらん水」という名前のとおり、なんだかホタルが寄ってきそうな味だ。あれ、意外とおいしいんじゃね? と油断していたら、後から「渋み」が追っかけてきた。うわっ渋い、なんだこりゃ。
とりあえず飲めなくはないが、積極的にゴクゴク飲みたい味ではなかった。ここで「へーなめてみよう」と思った人はもうちょっとだけ待ってほしい。記事にはまだ続きがあるのだ。
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