大阪府と大阪市が「美味しんぼ」の記述について抗議 「そのような状況は認められない」
作中の記述にあるような状況は認められない。事前の取材も一切受けていないと反論。
大阪府は5月12日に発売されたビッグコミックスピリッツ(小学館)掲載の「美味しんぼ」内での災害廃棄物処理に関連する記述について「作中の記述にあるような状況は認められず、災害廃棄物の処理は全て安全に終了しています」と見解を発表した。
「美味しんぼ」の4月28日発売号で福島第1原発の見学から帰ってきた主人公らが原因不明の鼻血を出したとする描写に対し、風評被害を招いていたとして批判が集まり、福島県や環境省などから抗議が寄せられている。
その続きが掲載された最新号において「大阪で、受け入れたガレキを処理する焼却場の近くに住む住民1000人ほどを対象に、お母さんたちが調査したところ、放射線だけの影響と断定はできませんが、眼や呼吸器系の症状が出ています」と岐阜県環境医学研究所所長の松井英介氏が切り出し、「鼻血、眼、のどや皮膚などに、不快な症状を訴える人が約800人もあったのです」とコメントしている。
この記述については、処理を行った焼却工場の存在する此花区役所、同保健福祉センター、此花区医師会に確認をしたが、処理中においてもその後においても、そのような状況は認められないと出版社に対する抗議および当該箇所の削除・修正を申し入れるに至った。
大阪府と大阪市は岩手県からの要請を受け、岩手県宮古地区(宮古市、岩泉町、田野畑村)の災害廃棄物を受け入れている。その際、放射性物質の濃度を測定するなど安全を確認し、運搬、焼却など処理の各過程でも空間放射線量率などを測定し安全を確認しているとして改めて主張。今回の作中での記述にあるような事前の取材も一切受けていないと報告している。
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「綿密な取材に基づき、作者の表現を尊重して掲載させていただきました」と編集部。
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