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福島県双葉町、「美味しんぼ」めぐり小学館に抗議

県全体にとって風評被害を生じさせ、双葉町民と福島県民への差別を助長させることになるとの危惧を示している。

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 福島県の双葉町は5月7日、4月28日発売の「ビッグコミックスピリッツ」に掲載された「美味しんぼ」について小学館に抗議したと発表した。


抗議文

「ビッグコミックスピリッツ22・23合併号」に掲載された美味しんぼ

 問題の号に掲載された604話には福島第1原発の見学から帰ってきた主人公らが原因不明の鼻血を出すといった描写があり、双葉町元町長の井戸川克隆氏が作中に登場し「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです」と語っていた。

 これに対して双葉町は抗議文で、「現在、原因不明の鼻血等の症状を町役場に訴える町民が大勢いるという事実はありません」と作中の井戸川氏の発言を否定した。また604話により、県外から町役場に、福島県産の農産物は買えない、福島県には住めない、福島方面への旅行は中止したいなどの電話が寄せられているとし、県全体にとって風評被害を生じさせ、双葉町民と福島県民への差別を助長させることになるとの危惧を示している。

 「双葉町に事前の取材が全くなく、一方的な見解のみを掲載した、今般の小学館の対応について、町として厳重に抗議します」(双葉町)

 604話に対しては、発売当初からネットでも風評被害を招くとの批判があった。ビッグコミックスピリッツ編集部は「綿密な取材に基づき、作者の表現を尊重して掲載させていただきました」とコメント。作者の雁屋哲氏は「私は自分が福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない」と語っている。

 ビッグコミックスピリッツはこの件について、特集記事で識者の見解や批判を掲載する予定。5月19日発売の25号と、同誌のWebサイトに掲載する。

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