夏フェスRIJF2014で「発光物などの使用」「応援行為」の禁止 「アイドルを呼んでいるのに」と批判の声
運営のロッキング・オンに、禁止はどういう意図だったのか問い合わせてみました。
音楽フェスティバル「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」(RIJF2014)が8月2~3、9~10日に開催された。全日のチケットがソールドアウトするなど大盛況に終わった一方で、会場では今年から「発光物などの使用」「過度なパフォーマンス」「応援行為」が禁止され、ネット上で疑問の声が多く上がった。
運営側の呼びかけは、「サイリウム・ペンライトなどの発光物の使用、過度なパフォーマンスや応援行為は禁止いたします」と書かれた紙(表記はいくつかある)を会場各所で4日間掲示するというもの。音楽ライターの柴那典さん(@shiba710)が「ステージ後方でヲタ芸打ってた集団にスタッフが走り寄って、注意して止めさせてた」とツイートするなど、スタッフの対応に関する目撃証言もネット上に投稿されている。
2000年から始まった同フェスでは、これまでも「モッシュ・ダイブ等の危険行為禁止」や「演奏中の撮影・録音禁止」などの注意文は掲げてきたが、発光物や応援に関する注意は今回が初めてだ。ロックバンドが中心に出演するフェスでありながら、近年はアイドルグループの参加も増え、出演者と観客の層が広がっている。
アイドルの応援によく見られるサイリウムやペンライト、ヲタ芸などのパフォーマンスを禁じる動きに対し、Twitterでは批判や疑問の声が多く投稿された。「つまらん……なら来年からアイドル呼ばなきゃいい」「それがアイドル見る時の楽しみ方なんじゃないの? モッシュとかダイブとかダンスと何が違うの?」と、アイドルを出演させるにもかかわらず、アイドルファンの楽しみを奪うことへの反発が見られた。
「『光り物とオタ芸禁止』って、ざっくり言うと『キモいから禁止』だよね?」「ロックって名ぁ打ってるのに、心の広さ全然ロックじゃなく思えちゃうよ。色んな文化の交わりが面白いのに」と、ロックという文化からのアイドルファンへの拒絶と受け取る人もいた。
一方で、3人の女性アイドルグループ・Negiccoのステージでは禁止事項の範囲内でうまく楽しむファンもいたようだ。サイリウム禁止という情報が事前に伝わっていたようで、ファンが自ら持ち込んだネギを振っていたという。メンバーのMeguさんも「ペンライトが禁止でみんながネギライトのかわりに、ネギを持っていてくれて感動した!! 凄く光っていたよ!ありがとうね!」とツイートしている。
運営側はどういった意図で今回の禁止事項を掲げたのか。企画制作のロッキング・オン・ジャパンに問い合わせたところ、「禁止としたのは、ステージの演出の妨げとなるため、また、周りのお客さまのご迷惑となることがあると判断したためです」と回答した。
これまで「発光物の使用」「過度なパフォーマンス」「応援行為」だけに原因が特定できるようなトラブルやクレームは起こったことはないが、出演アーティスト構成の幅を広げたことでこうした行為が予測されたため、今回の禁止に至ったと説明している。
「過度なパフォーマンス」「応援行為」が具体的に何なのかについては、「腕を振り回すなど周りのお客様に危害が加わる可能性がある行為や、パフォーマンスに当たって広いスペースを必要とするために他のお客様が観覧できるスペースを圧迫する行為など」との話だった。こうした禁止行為となる具体的な基準は、スタッフたちとの事前の打ち合せ時に各ステージ係員と共有したという。
黒木貴啓(@abbey_road9696):フリーライター(2012年~)。1988年生まれ、鹿児島県出身。Web媒体を中心に日本の奇祭や風習、マンガ関連の記事を執筆。マンガコミュニティユニット「マンガナイト」メンバー。関心分野は民族仮面/日本のダンス文化/ロックンロール/志村正彦。
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