鳥羽商船高等専門学校生の5日間 真夏の「Imagine Cup」シアトル滞在記
密着取材しました。
米国時間7月29日から8月2日までシアトルで開催されたマイクロソフト主催の学生向けITコンテスト世界大会「Imagine Cup 2014」(関連記事)。日本からは、鳥羽商船高等専門学校のチーム「kazokugurumi(かぞくぐるみ)」が世界大会に出場した。その一部始終をリポートしようと思うが、まずは人物紹介から。
この、ちょっとぎこちない格好で脚立に乗って何かを撮影しようとしているのは、日本マイクロソフトのUXエバンジェリスト春日井良隆氏。
何を撮りたかったのかというと、日本チームkazokugurumiのメンバーが書いたサインだ。
春日井氏は、Imagine Cup 2014の世界大会に向けてこの数カ月間日本チームをサポートしてきたうちの1人で、親のような気持ちでこの大会を見守ってきた。こんな格好で必死にサインを撮ってしまうのも無理はない。
続いては、鳥羽商船高等専門学校制御情報工学科准教授の江崎修央氏。1年間以上、kazokugurumiメンバーとともに過ごしてきた先生。
そして、kazokugurumiのメンバー。左から、島影瑞希氏、宮村騎久也氏、Dark DePhantom氏、濱口堅太氏。
kazokugurumiは「Cuddly Connect」を開発し、このImagine Cup 2014世界大会に進んだ。Cuddly Connectは、ぬいぐるみをインタフェースにした遠隔コミュニケーションシステム。ぬいぐるみの鼻部分にカメラが内蔵されており、相手がKinect越しに手を振るとそれに合わせてぬいぐるみの手が動く。また、ぬいぐるみを通してテレビ通話をすることも可能だ。
そんなkazokugurumiチームを応援するために、シアトル渡航前夜には品川の日本マイクロソフトオフィスで壮行会が開かれた。そこでは、駆け付けた多くのアドバイザーから日本代表チームに向けて「1日や2日徹夜しても大丈夫!」「英語以上の共通言語は技術」「Have fan!!」などのメッセージが寄せられた。
こうして挑んだ世界大会。日本チームは1日目のウェルカムパーティー(関連記事)で少しリラックスした翌日、プレゼンテーションを行ったのだが(関連記事)、その直後のインタビューにkazokugurumiらしさがあったので少し編集した動画をそのまま掲載したい。マイクロソフトの春日井氏や鳥羽商船高等専門学校の江崎先生との会話から、当日のほっとした雰囲気が伝わるのではないだろうか。この会話を聞いていると、どれだけ多くの時間を彼(彼女)らが共に過ごしたのかが分かる。
4日目、いよいよコンテストの結果発表! 優勝したのは、下まぶたの裏側(結膜)の写真を撮るだけで結膜の分析と貧血の検査・リスク計算ができるアプリ「Eyenaemia」を作ったオーストラリアのチーム。決勝戦は「バトルロワイヤル」と呼ばれるプレゼンテーションの決勝大会が舞台上で行われたのだが、これがすごかった。審査員であるマイクロソフトの最高経営責任者(CEO)Satya Nadella(サティア・ナデラ)氏らから飛んでくる質問に対し、キレッキレの受け答えをして会場を沸かせたチームだ(関連記事)。
そしてその夜、Imagine Cup参加者全員でのパーティーが行われた。場所はシアトルで有名なEMP Museum。全てのコンテストを終えた参加者たちの姿が生き生きとしている。
Imagine Cup最終日は、歴史資料館「MOHAI」で誰もが参加可能なパブリックショーケースが開かれた。MOHAIはインタラクティブな資料館で、見るだけではなく体験ゾーンがたくさんある。また、スターバックスコーヒーの最初の看板なども展示されていた。
こうして、Imagine Cup 2014は終了。kazokugurumiのメンバーは「世界中の参加者からインスピレーションを受けた」(島影氏)、「世界のチームは、自己アピール力が違うと実感した」(宮村氏)などとこのImagine Cupを振り返った。
現在Imagine Cupの出場資格は16歳以上の学生。来年度以降その枠が少し変更され、より若い世代にも拡張されるとのこと。このような活動が今後もどんどん広がればいい。
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