棋士がメガネ型端末で将棋ソフトの指し手を確認 「電王戦タッグマッチ」の新システムがすごくサイバー!
プロ棋士とコンピュータソフトがペアを組んで対戦する電王戦タッグマッチ。対局者の傍らにPCを置いたりしません。情報はメガネ型端末でチェックする仕組みです。
9月20日にスタートした、プロ棋士とコンピュータソフトがペアを組んで対戦する「電王戦タッグマッチ2014」で、メガネ型ウェアラブル端末を採用した新たな将棋システムが導入されています。対局者はPCを傍らに置くのではなく、メガネ型端末を通じて将棋ソフトの指し手の情報を得る仕組みです。
このシステムはイベントを主催するドワンゴが日本将棋連盟の協力を得て開発しました。ウエストユニティス社製の「インフォロッド」という端末を使っていて、これに、将棋ソフトが考えた第1候補手とその手による評価値、読み筋などの情報を表示します。さらに耳元にあるタッチセンサーをスクロールすると、第2以降の候補手の読み筋を確認可能。読み筋の表示は5パターン(2手先、4手先、6手先、8手先、10手先)から選択できます。
棋士と将棋ソフトのタッグマッチと言うと、棋士がPCを操作したり、ソフト開発者に情報伝達したりといった通常の対局にないイレギュラーな動作が発生しそうですが、メガネ型端末を使うことでそういった懸念を払拭しようという狙い。ドワンゴは「アドバンスド将棋において、プロ棋士がより対局に集中できる環境の提供を目指す」とコメントしています。
さらにこのメガネ型端末は脳波測定マシンも備えました。脳波メーターによって棋士の集中度とリラックス度を可視化することで、新たな将棋の楽しみ方を提案します。脳波測定はニューロスカイジャパン社製の「マインドウェーブモバイル」を活用。なお脳波メーターは棋士本人は閲覧できません。
関連記事
ソニーがスマホと連携するメガネ型端末「SmartEyeglass」を開発
ユーザーの状況に応じて、ナビなどさまざまな情報を表示できる。団体戦は次がラスト! そしてタッグマッチへ 「将棋電王戦FINAL」2015年春に開催決定
プロ棋士とコンピュータソフトが戦う「将棋電王戦」は対決から共存へ。タイトルホルダーの参加はあるか!?“敵”が“先生”になる日――コンピュータ将棋ソフト開発者 一丸貴則さん・山本一成さん(後編)
人間のプロ棋士とコンピュータソフトが戦った「将棋電王戦」。2人のソフト開発者はどんなことを考えて対局当日に臨み、そしてその結果に何を感じたのか。今後の人間とコンピュータとの関わり方についても考える。共に電王戦出場、世界最強の“同僚”――コンピュータ将棋ソフト開発者 一丸貴則さん・山本一成さん(前編)
人間のプロ棋士とコンピュータソフトが対戦した「将棋電王戦」。「人間 vs. コンピュータ」という構図で語られがちなこの戦いは、プロ棋士と将棋ソフト開発者という「人間 vs. 人間」の戦いでもあった。ドラえもんの世界がここに実現! 目の動きでスマホを操作する次世代メガネ「JINS MEME」を体験してみた
気分はもう魔法使いなの~。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.