ニュース

「かがみ」←どう読んでた? 衰退進む「鼻濁音」来世紀にはほぼ消滅か

鼻濁音、ちゃんと使ってますか?

advertisement

 日本語の「鼻濁音(ガ行鼻音)」について調査を行ったところ、現在の日本人で鼻濁音を使っている人は全体の約2割にすぎず、また若い人ほど使用率が下がっていることが分かりました。

 今回調査を行ったのは、ノートルダム清心女子大学の尾崎喜光教授。調査は尾崎教授が国立国語研究所に在籍していた2009年に行われたものですが、最近になって同大学の学内誌(紀要)で論文が公開されると、朝日新聞などがこれを紹介し、注目を集めました。

 日本語の「ガ行」には、ハッキリと強く発音する通常の「濁音」と、鼻から抜けるように優しく発音する「鼻濁音」の2種類が存在します。たとえば「外国人(ガイコクジン)」のように「単語の先頭」にガ行が来た場合は通常の濁音で、「鏡(カガミ)」のように「単語の先頭以外」にガ行が来た場合は鼻濁音で発音するのが一般的とされています。

advertisement

 調査は全国の20~79歳の男女803人を対象に実施されたもの。「鏡(カガミ)」「日本語(ニホンゴ)」などの単語を実際に発音してもらったところ、鼻濁音を使って発音している人は全体の約2割にとどまったそうです。また男女による差はほぼありませんでしたが、年齢別で見ると、70代ではおよそ39.5%が鼻濁音を使っていたのに対し、30代では11.5%、20代ではわずか5.8%と、若い人ほど鼻濁音を使わない傾向が顕著に見られたとのこと。

 以下のグラフは「鏡」の発音について調べたもの。

「鏡」の属性別分析(全体/男女別)
「鏡」の属性別分析(年代別)
※尾崎教授の調査データをもとに編集部で作成

 また地域による差も大きく、中国・四国・九州で鼻濁音を使っていた人はゼロ。近畿地方も4.3%と非常に低くなっており、西日本では鼻濁音はほとんど使われていないという結果に。一方で、北陸や東北では鼻濁音の使用率は6割以上にのぼっており、今でも多くの人に使われているようです。

「鏡」の属性別分析(地域別)
※尾崎教授の調査データをもとに編集部で作成

 鼻濁音は今後も衰退の一途をたどると考えられ、「来世紀には、東北地方にわずかに残るのみで、それ以外では消滅している可能性が高い」と尾崎教授はまとめています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
  10. 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生