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国内での死亡例も! 野生の「マダニ」が媒介する恐ろしい感染症とは?

入念な予防対策が重要です。

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 本格的な夏に向かうこれからの季節、屋外のレジャーやガーデニングなどで注意したいのが「虫さされ」。昨年の夏は、蚊が媒介するデング熱が社会的に大きくクローズアップされましたね。

 さらにもうひとつ、ここ近年、厚生労働省が注意を呼びかけているのが、野生の「マダニ」が媒介するウイルス性の感染症です。この感染症にはまだ特効薬がなく、重症化して死に至るケースも報告されています。

 マダニから身を守り、恐ろしい感染症を防ぐための注意点をまとめてみました。

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肉眼でも見える体長1~10ミリの「マダニ」

致死率35%の怖い感染症「重症熱性血小板減少症候群」

 室内にいるイエダニやツメダニなどとは異なり、マダニは草むらや森林などに生息しています。体調は1~10ミリと大きく、人や動物に食いついて血液を吸うと2センチ近くに巨大化することも。食いつくと3~10日ほど離れず、皮膚にはりついて血液を吸い続けます。

 このマダニが媒介する感染症のひとつが、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」です。潜伏期間は10日前後で、発症すると発熱・下痢・嘔吐などの症状のほか、血小板や白血球が急激に減少して死に至ることもあります。

 国立感染症研究所によると、日本国内で初めてSFTSの患者が報告された2013年以降、これまでに全国で110人の患者が報告され、うち32人が亡くなっています(2015年4月現在)。まだ有効な治療薬やワクチンがなく、重症化した患者に対しても対症療法でしか対応できていないのが現状です。

野外から帰ったら全身をチェック&体調の変化に注意!

 マダニに咬まれても痛みや痒みはあまりなく、当初は気づかないことが多いようです。ですから、森林や草むらなどの野外へ行った日は、入浴時にマダニが付いていないか全身をチェックしましょう。

 皮膚に硬いゴマのような虫が食いついていたら、マダニの可能性大。食いついている頭部が残らないように、できるだけ根っこの部分からはがすようにして取り除きます(うまく取れない場合は、無理にはがさず皮膚科などの病院へ)。

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 その後、潜伏期間の10日間ぐらいは体調の変化に注意し、発熱などの異常があればすぐに病院へ行くことが重要です。

※ねとらぼ編集部注:マダニを無理にはがそうとすると、口器が皮膚に残ったり、病原体を含んだ体液を注入されたりといった可能性があり、危険であるとの指摘をいただきました。マダニの吸血に気付いた場合は、皮膚科で周囲の皮膚ごと取り除いてもらうのがもっとも安全とのことです

肌の露出を減らして、ダニの侵入経路をシャットダウン

 何よりも最大の予防は、咬まれないように心がけること。マダニのいそうな場所に行く時は、長袖の服や長ズボン、帽子、軍手などを着用して、できる限り肌の露出を少なくすることが肝心です。

 また、サンダルなどの履き物はNG。足にフィットしたアウトドアシューズや長靴を履き、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れます。同様に、シャツの裾や袖口もズボンや軍手の中に入れ、首にタオルを巻いてダニの侵入経路を遮断すれば、より効果的です。

 これからの時期、人間もダニも活動が活発になります。楽しい夏のアウトドアレジャーで、恐ろしい感染症にかからないためにも、まずは入念な予防対策が重要といえそうです。

※参考/厚生労働省Webサイト、国立感染症研究所Webサイト

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