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艦これ提督に挑んでもらいたい「ゲームマーケット2015春」索敵報告ダウン・イン・フレイムズで“合コン”空戦!(4/4 ページ)

「枯山水」の発掘で注目のゲームマーケット。2015春も「光ネッサンズ」が話題だが、そういう社会現象とは関係なく、超私的にウォーゲームを満喫する彼であった。

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「すしドラ!」デザイナーの空母戦カードゲームがけっこう本格的な件

 こげこげ堂は、「すしドラ!」で有名な同人ゲームレーベルだ。そのこげこげ堂が、空母戦カードゲーム「空母対空母 カクーノ沖海戦」を発表した。これは、ゲームマーケット2015春で有志ゲームデザイナーが企画した「2種カードゲー企画」に参画したもので、かつ、こげこげ堂初めてのウォーゲームだが、その内容は、ミリタリーをフレーバーとして扱うカードゲームではなく、本格的な空母戦ゲームになっている。(掲載当初記載していた「王様のマカロン」は鍋野企画さんの作品です。おわびして訂正いたします)

「すしドラ!」のこげこげ堂が空母戦カードゲーム「空母対空母 カクーノ沖海戦」をデザインした

 カードとして登場する「艦上戦闘機」と「急降下爆撃機」をゲームボードとして用意した航空母艦で運用しつつ、索敵機と上空直衛機を割り当て、索敵機で発見した敵空母に護衛機と急降下爆撃機で構成した攻撃隊を送り、敵上空直衛機と対空砲火をかわして敵空母を爆撃する。艦上機の運用は、山札が空母格納庫、手札が武装給油中、ゲームボードが飛行甲板に相当する。飛行甲板から飛び立った艦上機カードを「索敵」「上空」「攻撃隊」に割り当てて、上空と攻撃隊にいた艦上機カードはターンの終わりに着艦して格納庫に相当する山札に戻る。

「2種カードゲー企画」の制限内でデザインしているが、それでも、空母における艦上機の運用や索敵と攻撃隊、上空直衛の配分、空戦から対う空砲火を生き抜いて敵艦攻撃など、空母戦ウォーゲームの要素を反映している

 パッケージは、米軍版と帝国軍(日本軍)版があって、それぞれ500円。片方だけでもゲームができるが、両方用意すれば“日米航空母艦の戦い”が体験できる(同じ名前の空母戦ウォーゲームがあったが、それとは関係ないのでご注意のほど)。

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 「仲間のゲーマーたちが興味を持っていたので」という理由でウォーゲームを初めてデザインしたこげこげ堂のデザイナーISA氏は、ゲームデザインのために空母戦ボードウォーゲームの「激闘南太平洋」「日本機動部隊」や空母戦関連資料を用意して研究し、その上でルールをいつも手がけているカードゲームに落とし込んでいく手法でカクーノ沖海戦をデザインしたそうだ。

 初めてのウォーゲームということと、2種カードゲー企画という制約の中での作成だったが、ISA氏は「カードを3種類にして雷撃機を加えるなど、より本格的なウォーゲームもデザインしてみたい」と語っている。すでにカードゲームデザイナーとして実績のあるこげこげ堂だが、新しいタイプのウォーゲームデザイナーとしても今後の作品に注目したいところだ。


 同人レーベルながら、パッケージやユニット、カードの品質が商業製品と肩を並べるほどに向上し、人気のレーベルが発表する新作は予約分だけで100個単位で完売し、トークショーでは同人ゲームでも原価率を考えなさいと諭されるなど、ゲームマーケットは大きく変わろうとしている。

 そういう時流にあっても、ウォーゲーム関連レーベルは、参加している顔ぶれもゲーム制作のコンセプト(自分が作りたいものを作る)も変わらない。ウォーゲーム関連同人レーベルブースが集まった「Gエリア」は“古き良き時代”の雰囲気を残していた数少ない空間だった。

 しかし、(中に人には分かりにくいのかもしれないが)ウォーゲームというものが世の中に存在して、それがどういうものなのか興味を持つゲーマーは確実に増えている。ダウン・イン・フレイムズの盛り上がりが目立ったa-gameの試遊卓だが、そこに広げてあるTANKS!やワーテルローのマップに広がるヘックスをみて、「あ、これがウォーゲームっていうものなんだー」「初めて見たー」「ちょっとやってみたいなあー」と声をあげていた来場者を、私は何度もみている。一方で、「でも、難しいんでしょー」「時間がかかるらしいしー」「誰もいないしー」(a-gameのスタッフはダウン・イン・フレイムズの対応で手がいっぱい)「うーん、次いこっか」と立ち去っていく来場者も同じぐらいみている。

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 ゲームマーケットの試遊卓は、未体験のウォーゲームを買わずとも“ただ”で体験できる貴重な機会を来場者に提供してくれる。個人的な経験だが、試遊卓で面白いと思った来場者は、高い確率でゲームを購入してくれる。一方で、「試遊卓に引きとめられる時間が長くても30分、15分以内が望ましい」という状況において、ウォーゲーム専門誌コマンドマガジン元編集長の中黒靖氏がいう「(歴史的背景と軍事的なあれこれを知らない人に)ボード・シミュレーションゲームの魅力を伝えるのは(ゲームマーケットのような)展示即売会が最適の場ではない」というのは事実かもしれない。

 ただ、すべてのストーリーを体験するのは無理としても、最も盛り上がる場面、ある意味“サビ”の1ターン、極端なことをいえば、史実的状況を再現した配置までした上で戦闘解決のダイスを振るだけでも、ウォーゲームの“興奮”を体験できる(中黒氏も、ワーテルローで1~2ターンの20分シナリオを試遊卓のために用意している)。

 ゲームマーケット2015秋に向けて、ウォーゲームを含めたシミュレーションゲームサークルが連携する動きもあると聞いているが、ぜひ、“体験版20分シナリオ”や対応スタッフの当直配置も含めた試遊卓プロモーションにも注力する方法も模索していただければと願いつつ、時間がかかってかかってごめんなさいと、ゲームマーケット2015春の索敵報告を終える彼であった。

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