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「提供制限に該当しない」 元“少年A”の手記「絶歌」に関して日本図書館協会が見解を発表
「図書館の自由に関する宣言」に基づいて、収集や貸し出しに制限を設けない姿勢。
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1997年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件の加害男性・元“少年A”による手記「絶歌」について、出版の是非や図書館での取り扱いをめぐってさまざまな議論が報道される中、公益社団法人日本図書館協会が「図書館における提供制限要件には該当しない」とのコメントを発表しました。
日本図書館協会のガイドライン「図書館の自由に関する宣言1979年改訂」(「宣言」)に基づいて、図書館の自由委員会が見解を述べる形式となっています。
「宣言」では「図書館は資料収集の自由を有する」とし、対立する意見のある問題についてそれぞれの観点に立つ資料を幅広く収集すること、著者の思想的、宗教的、党派的立場によって著作を排除しないこととしています。また圧力や干渉によって収集の自由を放棄したり、紛糾をおそれて自己規制しない、とも。
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その上で、図書館は、人権やプライバシーを侵害するもの、わいせつ出版物であるとの判決が確定したもの、寄贈者・寄託者が公開を拒否するものに限って提供の自由が制限されることがあるとしています。提供を制限するのは「頒布差し止めの司法判断があること」「そのことが図書館に通知されていること」「被害者(債権者)が図書館に対して提供制限を求めた時であること」という3つの要件すべてに該当するときであると明示。「絶歌」はこれらの要件には該当しないため、収集や貸し出しなどの提供制限要件には該当しないと結論付けています。
「絶歌」をめぐっては神戸市立図書館など一部の図書館が所蔵を見送る決定を行っていました。
(高城歩)
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