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「うしおととら」の正ヒロイン、とらはやっぱりかっこよくて、かわいいんだぜ!あのキャラに花束を

1人と1匹じゃない、2人で最強だ!

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25年の時を超えて、やつらが帰ってきた!

 連載開始が1990年。四半世紀の年を超えて、日本人の魂を震わせ、闇の世界で妖怪たちを震え上がらせたであろう、あの漫画が帰ってきた!

 アニメ「うしおととら」。こちらも活動年数が四半世紀のバンド筋肉少女帯のOPと共に、蒼月潮(あおつきうしお)と、とらの2人組がテレビに登場しました。

槍のように駆け抜ける。あの2人の漢が帰ってきたぞー!

 3クールで「白面の者」と呼ばれる最大の敵を倒す、コミックスのエンディングまできっちりやると宣言済み。どうしても尺が足りない部分は、藤田和日郎自らアニメに参加して、話を整理するという力の入れようです。

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 獣の槍を抜いて、その伝承者となったうしお。電撃を自由に操り、数多くの人間を喰い続けた妖怪、長飛丸こと、とら。2人の旅が始まりました。とにかくまっすぐ突き進む、疾走感がたまらない。

「うしおととら」の、最強ヒロイン

 「うしおととら」には、熱血で魅力的なキャラクターが勢ぞろい。特にヒロインキャラがヤバい。日本各地を巡りながら出会う少女たちは、余りにも美しい(心も見た目も!)。

 潮の幼なじみで喧嘩相手の中村麻子、同じく幼なじみで優しい性格の井上真由子。鬼と化した父親から潮が救った羽生礼子、飛行機に乗っている時に共に戦った桧山勇、遠野に住んでオマモリサマと暮らす鷹取小夜。ぼくが好きなのはショートカットで気が強くて、潮にはやたら厳しい、脚がすごくきれいな獣の槍の伝承者候補関守日輪。他にもナイスバディなお姉さまたちも含め、よりどりみどり。

 でもね、この25年間ずっと思っていました。みんなめちゃくちゃかわいいけど、「うしおととら」で一番かわいいのは、やっぱとらなんだよ。

ああー、かわいいんじゃー。槍がぴょんぴょんするんじゃ~

 とらは本来、非常に恐ろしい妖怪。その年齢はなんと2000年を超えており、長飛丸の名を聞くだけで震え上がる妖怪は数多くいます。

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 ところが、潮と出会い、獣の槍を引きぬかれてからののんびりっぷりがまあかわいいのなんの。そもそも「槍を手放せば喰われる潮」「気を抜けば獣の槍で封印されるとら」という力の拮抗関係でつながっているため、2人の間には緊張感があるはず。しかし大妖怪の貫禄というべきか、まるで無邪気な子どものよう。

 特に4話で真由子に出会ってからのシーン。真由子は獣の槍を持っていない、反撃なんてまったくできない。とらの嫌がる香水のにおいもしない。無防備なエサ(デザートらしい)です。しかしとらは、彼女を「食べるために妖怪から守る」という、ちょっと面白い行動にでます。

 とらは本能のままに暴れる動物じゃない。おちゃめなだけのマスコットキャラでもない。自分なりの仁義を持つ漢です。

とらと真由子のやりとりを見ると、ハンバーガー食べたくなりますね

相棒でありヒロインなとら

 「うしおととら」は、いわゆるバディもの。「相棒」や「TIGER & BUNNY」に近い。どちらが上とか下とかいう関係ではない。お互いが信頼しあい、2人が違う役割を担いながら、背中を預ける戦友です。

 潮は熱血バカなので、「本気で頼めば、正しいことは、必ずとらが力を貸してくれる、とらはそういうやつだ」という絶対的な信頼感を抱くようになります。

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 この信頼感、「理由」がない。人も妖怪も、本来は善に生きていると考えているだけ。だから人間にも妖怪にも信頼されるんだよね。

黙って人を、妖怪を信じる。日本男子の背中が見える

 一方でとらは、最初は彼のことを信用しません。2000歳と子ども。同列になる方がそもそもおかしい。ところがとらは、次第に潮と対等に接するようになります。

 実のところ、槍が潮の手から離れている瞬間は結構あります。潮を喰うのは、それほど難しくない。そもそも潮以外の人間を喰ったっていいのに、喰わない。香水や貴金属が苦手だかららしいけど、そういうのが一切ない人でも食ってない。特に4話までの間の変化は如実。とらの「人間は信頼できるのか」という見方も、大きく変わります。

わーわー喧嘩はするけれど、なぜか信頼感に変わっていく。2000歳超えのとらの心が変わりつつあります

 今の段階では、彼が潮を完全に認めたわけではありません。だから、必ず言い訳を付けます。

「その槍があるから、仕方なくやってやってるんだ」「お前はわしが一番先に喰うんだから、他の妖怪に負けるんじゃねえ!」「わしのエサに手を出すな!」

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 これを他のヒロイン風に置き換えてみましょう。

「これ先生が届けろって言ったから、仕方なく持ってきたんだからね」「それ次会う時に取りに来るから、絶対持っててね!」「私の、お、幼なじみに手をだすなー!」

 この作品は、一本気で変わらぬ潮に、とらが戦いを通じて心を開いていくお話。

 とらのヒロイン力、ずば抜けています。

本来敵同士なのに、友達にしか見えない。ほんと、とらちゃんったら

 2人には主従関係がありません。潮が「信頼して待つ側」、とらが「信頼に応えてやる側」と分担もできています。

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 今回のアニメでは特に、とらが潮の行動を見てどう感じているのかに、相当力を入れて描かれています。彼の変化は最終決戦になるまでじっくりじっくりと積み上げられていき、最後の白面戦では「2人で最強」という固い絆に変わっていきます。

 とらが潮を信頼していく過程が魅力的なのと同様に、潮がとらに全幅の信頼を寄せる様子も見逃せない。あいつ命がけでとらのこと信じてるからな。

 いろんな女の子ヒロインたちが潮に好意を寄せます。でもちょっとこの2人の間には入れそうにはないよね。

 原作でラストをご存知の方も多いと思います。その後。例えば仮に潮が麻子とか真由子とかと結婚したとしたとして。とらも同じ家に住み着いて、寝転がってハンバーガー喰っている様子が頭に浮かんでしまうのです。

(C) 藤田和日郎・小学館/うしおととら製作委員会

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