宮崎駿アニメの背景を3D化した映像作品がハイクオリティ　湯屋の周りをポニョが走ってキキが飛ぶ！

　CGで精巧に作り上げた「千と千尋の神隠し」の世界を、ポニョが、サンが、キキが、跳ねて駆けて飛び回る！　宮崎駿監督作品の背景を3Dで再現したファンアート「Tribute to Hayao Miyazaki」が、ジブリ好きなら心躍らせてしまうクオリティの高さです。

　作品は海外のアーティスト・donoさんが動画サイト「Vimeo」で公開したもの。宮崎作品の背景を3Dで制作し、そこへ作中のキャラのアニメーションを合成するという映像作品になっています。「天空の城ラピュタ」で空から降りてきたシータをパズーが受け止めるシーンも、2人の絵柄と動きはそのままに、周囲の炭鉱や足場は立体的になって登場。躍動的な宮崎アニメを、リアリティが増した異なる世界観で楽しめます。

　モチーフとして出てくる作品は、「名探偵ホームズ」や「ルパン三世 カリオストロの城」といったスタジオジブリ設立前のもあれば、「となりのトトロ」「もののけ姫」「風立ちぬ」など最新作含めさまざま。ホームズの隣で「魔女の宅急便」のキキがホウキに乗って浮かぶなど、作中のシーンを完全に再現しているわけではなく、あらゆる宮崎アニメの舞台やキャラを融合させた映像作品になっているようです。

　特に気合が入っているのが「千と千尋の神隠し」の湯屋。建物を360度ぐるりとCGで作り上げているほか、橋や煙突など細部にわたって再現しています。映像作品の最後ではこの湯屋の周りをポニョが飛び跳ね、橋の上をサンが駆け抜け、ポルコの飛行機が横切り……とキャラが大集合！　屋根の上でハウルとソフィーがキスしたり建物内に「カリオストロの城」の警官隊がいたりと、これでもかと言うほどキャラが登場していて密度が濃いです。画面を拡大して、制作者が詰め込んだ宮崎駿愛を隅々まで鑑賞しちゃいましょう。サツキとメイ、すごいところに隠れているな……！

（黒木貴啓）