旧約聖書「出エジプト記」が旅行ガイド? 海老名市立図書館の配架がちぐはぐすぎて不安視する声
これがほんとの聖地巡礼。
佐賀県武雄市に続くいわゆる“TSUTAYA図書館”として、10月1日にリニューアルした神奈川県の海老名市立中央図書館の蔵書検索で「出エジプト記」を調べるとなぜか「旅行/海外旅行/アフリカ/エジプト」に分類される謎現象が。そのほかの書籍でもおかしな分類があるとネットで話題です。
「出エジプト記」は、モーセが虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描いた旧約聖書の一部。分類としては「人文/宗教/キリスト教/聖書」が妥当のはずですが、まさかの旅行記扱いに「旅行本扱い」「るるぶ」とつっこむ人が続出しています。旅行だとすると序盤に海を割って進んだり、信仰力が試されることが多すぎてかなりわくわくどきどきな内容になりそうです。
TSUTAYA図書館の先駆けとなった武雄市図書館(佐賀県武雄市)に追加納入した蔵書が「まるで在庫処分ではないか」と批判されていることを受けて謝罪する事態にもなっています(関連記事)。そんな中、海老名市立図書館では新規に購入した本の中に、蔵書としてふさわしくないものがあるとしてオープン以前から市議会で問題になったこともあり注目が集まっていました。
同図書館の蔵書検索ではほかにも「伊勢物語」や「奥の細道」のいくつかが同様に「旅行」に分類されていたり、有川浩さんの小説「阪急電車」が「趣味実用/鉄道」になっていたりと首をひねるものがあります。蔵書検索だけでなく実際の書棚でも、国内旅行の中国・四国地方カテゴリに中国の漢詩やイザベラ・バードの「中国奥地紀行」が並んでいたりと混乱が見られるようです。
このカオスな状況を生み出したのは、図書館の書架分類で利用される日本十進分類法ではなく書籍のタイトルを機械的に判別したからではないかと推測されています。
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