「ただしイケメンに限る」の時代は終わった! 俺たちのための「ポチャメン」専門ファッション誌「Mr.Babe」倉科編集長インタビュー(2/3 ページ)
「デブの気持ちが分かるデブの僕が作るべきだと思った」
「しまむら」「ヨーカドー」にもポチャメン向けの服はある
――ファッションにおけるポッチャリ男性の悩みとはどんなものなんでしょう?
倉科 太り方にもいろいろなタイプがあるんですよ。たとえばお腹は出てるのに足は細いとか、柔道やってた人だと太ももだけパツパツでパンツが破れてしまうとか。胸回りだけがっしりしてる人がそれに合わせて3Lとかの服を買うと、丈だけすごく長くてバランスが悪くなっちゃったりするんです。ポチャメンは「わがままボディ」なので普通のS・M・Lってサイズじゃ測れないんですね。
――なるほど(笑)。
倉科 僕はそういうことをすごく感じてきたけど、普通の体型の人にはぽっちゃりの人がどこに困ってるのか理解してもらえないんです。体型にあったジャストサイズの服を着れば、ポチャメンもちゃんとかっこよくなる。太っているとつい「体や足が入るから買う」って選び方になりがちなんですが、そういう人たちにもっとオシャレな選択肢を用意できるようにしたいです。普通の人たちはデザインや好みで服を選んでいるわけですから。
――ポッチャリ向けのオシャレな服ってやっぱり需要が少ないんでしょうか?
倉科 ところが日本人男性の3人に1人がポッチャリしてるという厚生労働省の調査結果が出ているんです。でも、30歳から40歳くらいまでで170センチ、80~100キロくらいの日本人にジャストサイズの服ってほとんどない。もちろんアパレルの方たちにはこれからどんどんそういう服を作ってほしいと思いますが、「Mr.Babe」では今ある服をどういうコーディネートで着ればオシャレに見えるのか、ということも紹介しています。
――ポッチャリ向けだと普通の服より高かったりするんですか?
倉科 そういうわけでもないですよ。大きいサイズを扱っているファッションブランドもありますし、誌面では「ファッションセンターしまむら」など身近なブランドの洋服も扱っています。僕は最近「イトーヨーカドー」に入ってる「good day king」ってブランドによく行きます。あそこってお腹の出た「デブマネキン」を使ってたりして、日本人体型に合わせた大きいサイズの服が結構あるんですよ。
――へー! しまむらやヨーカドーならいわゆる「服を買いに行く服がない」人でも足を運びやすそうですね。でも「Mr.Babe」には外国人モデルも多く紹介されていますが、「外国人だからかっこよく見えるだけ」っていうことはないですか?
倉科 TKOの木下さんとかホンジャマカの石塚さんとか日本人のポッチャリタレントにも登場してもらっていますが、タレントの方だと服よりキャラのほうが前に出ちゃうんです。だからファッションページでは服を前に出すために、外国人モデルの方を使いました。それも日本人体型に近い170センチくらいのポッチャリモデルにしています。
――確かにモデルさんってみんなスタイルいいですもんね。ポッチャリしたタレントさんはいるけどモデルはあまりイメージがないような。
倉科 だからモデル探しは本当に苦労しました。表紙の写真は運命的な出会いがありましたね。「LOVE&LARGE~心もカラダも大きな男は愛される~」っていうフレーズをコンセプトにすることは決まったんですが、表紙の人選はなかなか決まらなかった。そんなとき偶然両手を「L字型」にしているジャック・ブラックさんの写真を見つけて「これだ!」と。
――えっ、これ雑誌のために撮ったポーズじゃなくてもともとあったものなんですか!?
倉科 そうなんです(笑)。
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