ニュース
“火をもって火を制する”山火事対策ドローンをアメリカの大学が開発
発想の勝利。
advertisement
米ネブラスカ大学リンカーン校(UNL)の研究チームが、あらかじめ野焼きをしておくことにより山火事が起きた際に燃え広がらないようにする山火事対策用ドローンを開発しました。
今回開発されたドローンには過マンガン酸カリウム粉末が入ったボールが搭載されており、ボールの落下寸前に液体グリコールをボールに注入することで、化学反応により落下地点で火種を作り出して計画的に放火することができます。対象物を計画的に燃やしておくことで、火の延焼を抑えるのだとか。火をもって火を制するとはまさにこのことでしょう。このような計画的な野焼きは山火事対策のほか、外来種対策としても効果的とされています。
また、安全のため、あまりにも高温の地帯や強風の場所には近づかないようにプログラミングされています。実際に平原で行われた試作機のテスト飛行では見事効果が得られたそうです。今後は支援を募って改良を進めていくとのこと。
advertisement
昨今、北アメリカ大陸の中西部に広がる大平原(グレートプレーンズ)や他の地域では頻繁に山火事が発生しているそうです。コストそして人的にも最小限のリスクで山火事を防ぐことが可能というこのドローン。今後のさらなる研究開発と活用が期待されます。
(高城歩)
関連記事
米運輸省、ドローンの登録義務化へ
大規模なスポーツイベントでの事故、有人航空機の近くでの飛行、山火事の消火活動の妨害といったドローンの問題が報告されています。消火活動を妨害したドローンに7万5000ドルの懸賞金 火災現場での「野次馬ドローン」問題が深刻化
緊急時のドローンの扱いにはくれぐれも注意。自分のスマホに翼を授ける!? スマホ一体型ドローン「PhoneDrone Ethos」がクラウドファンディングで出資募集中
もっと気軽に空撮を楽しめそう。カラスとおしゃべりするドローン! 鳴き声や動きでカラスを誘導するドローンカラス開発プロジェクト始動
カラスによる農作物の被害や都市部での問題解決につなげる。ドローンの違法飛行で約2億円の罰金 アメリカ連邦航空局が言い渡す
65回の違法飛行を行ったとして米国の企業に罰金を科しました。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.