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日本史を揺るがした“あの”風雲児を祀る、江戸の総鎮守「神田明神」の知られざる秘密!

某アニメとのコラボでも話題になりました。

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 都内の初詣スポットとして例年賑わいを見せる神田明神。多くの人に親しまれている人気の高い神社でありながら、意外とその実体は知られていません。江戸(東京)の総鎮守として、ここまで栄えた背景には、どのような歴史があったのでしょうか。いったい、どんな神様が祀られているのでしょうか。

神田明神の入り口正面に構える、威厳のある朱塗りの随神門

江戸の総鎮守の神社として

もともとは五穀豊穣を願う神社だった

 神田明神は、元和2年(1616)に江戸城の表鬼門にあたる現在の地に遷座され、江戸全体を守護する江戸総鎮守として尊崇されました。正式名称は神田神社といいます。古くから「明神さま」の呼び名で親しまれました。

 神田明神の元となる神社は、もともと現在の将門塚(大手町)付近にありましたが、幕府により現在の地に社殿が造営されました。以後、「江戸総鎮守」として江戸庶民に崇敬されるようになったのです。

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 “神田”という地名は、もともと神社の祭祀のために使用する稲を育てる土地のことを指します。とくに新稲を幣帛として伊勢神宮へ奉納する慣例があり、同様の地名が日本全国に存在しています。

 東京の神田もまた同じ由来をもつと考えられ、古くからこの土地では、稲田の豊作を願うために五穀豊穣の神である大己貴命(おおなむちのみこと)を祀っていました。神田明神も、当初はこの大己貴命のみを祀る神社だったと考えられます。

実は、日本史の教科書に出てくる“あの”武将も祭神のひとつ!?

平将門

 神田明神では、大己貴命だけでなく、ほかにも重要な神様が祀られています。一柱は、知識・造物の神として知られる少彦名命(すくなびこなのみこと)。もう一柱は意外なことに、あの平安時代を揺るがした武将である平将門(たいらのまさかど)が祀られているのです!

 平安中期、朱雀天皇の治世に、平将門が関東を制圧して親皇を名乗ります。朝廷はこれを逆賊とみなし、討っ手として藤原秀郷と平貞盛を差し向け、将門は討伐されてしまいます(天慶の乱といわれる日本史の大事件です)。

 将門は朝敵として倒されましたが、武士の時代を先駆けた兵(つわもの)であり、関東に住む人々のなかでは、権力に屈せず民衆を守り率いたヒーローとして、後世に語り継がれる偉人となりました。

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なぜ平将門が祀られたのか

首都の中心、大手町にある平将門の首塚(将門塚)

 もともと大己貴命を祀っていた神田明神では、延慶2年(1309)に遅れて平将門が奉祀されました。ところで、なぜ将門が祀られることになったのでしょうか?

 実は、もともと神田明神があった武蔵国の芝崎村(現在の大手町付近)に、将門の首を埋めたと伝えられる首塚がありました。

 この塚を管理せず、ほったらかしにしていたところ、地域一帯で天変地異が頻繁に起こり、疫病が流行します。塚をなおざりにしたために、将門の祟りが起こったのではないかと噂され、あらためて塚の整備と供養が執り行われ、その霊が近隣の神社(現在の神田明神)に奉祀されたということです。

 祟りを鎮めるために祀られた神様が、やがて多大なご利益をもたらす存在として敬われ、たくさんのひとが訪れる初詣スポットに。負の力が大きすぎると、逆に正の力となることが、日本の神様の不思議なのです。

天下分け目の戦いに臨んで徳川家康も戦勝を祈願!

江戸後期の「神田祭」幕府公式の祭礼であり大江戸の一大イベントだった

 神田明神がたくさんの人に信仰されるようになった理由として、各時代の戦国武将が厚く崇敬した背景がありました。戦国期には、太田道灌、北条氏綱をはじめとする多くの武将が崇敬した記録が残っています。

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 最も大きなきっかけは、徳川家康による戦勝祈祷でした。慶長5年(1600)に、天下分け目の戦いとも言われた、「関が原の戦い」が起こります。家康はこの合戦で勝利する願いをこめて、事前に神田明神で祈祷していたのです。

 歴史の節目となる大きな合戦に勝利した家康は、あらかじめ参拝した神田明神にご利益があったと考え、厚く信仰するようになります。合戦に勝利した日が九月十五日という神田祭(例祭)の日にあたったことも縁起がよいとされました。

 以後、神田明神は江戸幕府に厚く崇敬されるようになり、江戸城の裏鬼門にあたる現在の場所に移され「江戸総鎮守」として称えられるようになったそうです。

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