どうしてそうなった！！　10人の作家陣が広告を1分間で覚えて描きつなぐ「記憶イラストリレー」にツッコミが間に合わない

　多機能IC決済サービス「PiTaPa」の広告イラストを有名作家陣が伝言ゲームのようにして描きつないでいく「記憶イラストリレー」が実施され、10枚のイラストが公開されたのですがツッコミが間に合いません。助けてください。

　前の人のイラストを、次の人が1分間で記憶し再現していくというこの企画。一見すると単純なルールのように思えますし、有名イラストレーターさんや漫画家さんの手にかかれば、案外簡単に模写できてしまうのでは？　という一般人の浅はかな考えは2枚目のイラストですでに打ち砕かれることに。フリーダムかよ！！！

　1枚の広告イラストが曖昧な記憶の海に投げ出された結果、原型を留めずに徐々に崩壊していく……。鑑賞する際には、PiTaPa の公式キャラクター「ぴたまる」がリアルな忍者になり、萌え系のくまさんになり、木彫りになってついに何だか分からなくなり、最後は奇跡的に動物まで戻るという“1つのモチーフ”に注目する楽しみ方もありますよ。「電車」の変遷も追ってみると腹筋にクる。

　公開されたメイキング動画では、1分間という長いようで短い時間内で、前の人が描いた広告イラストに込められた情報量を頭に叩き込まねばならず、「覚えられない」「やばい」「なんだっけ」「ごぼうじゃないな」といった作家陣のうめき声が聞こえたり。最終的に「まぁいっか」となるあたりにリアリティがあります。

　ちなみに8人目のしりあがりさんからリレーを受け取った寺田さんは、とたんに少なくなった情報量から、どうイラストを描こうか大変悩まれたそうです。

　これらのイラスト広告は2月28日まで大阪市営地下鉄各駅などで掲出されるとのこと。実際に見比べるチャンス！

　豪華作家陣の驚き、苦悩、奮闘が我々の心を打ち、腹筋を崩壊させ、つっこまざるを得ない状況へと追い込むという連鎖反応が興味深く、情報伝達の可能性を考えさせられる企画でした。インパクトのある広告はこうして生み出されるのかもしれません……。

（高城歩）