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「春のパンまつりは好景気をもたらすためフランスでも有名」とネットでうわさに 現地「聞いたことがない」

「ヤマザキ春のパンまつり」がフランスでも有名だというTwitterのうわさについて山崎製パンに確認したところ、ほぼデマであることが判明。

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 山崎製パンが毎春開催している「ヤマザキ春のパンまつり」。パン商品についたポイントを集めると白いお皿がもらえるキャンペーン企画ですが、この企画がお皿の生産地であるフランスの町に好景気をもたらすため「フランスでも有名」だといううわさが、Twitterで話題になっています。本当だとすれば知られざる良い話ですが、真偽を疑う声も多数あるもよう。山崎製パンに事実なのか確認してみました。

「ヤマザキ春のパンまつり」2016年度特設サイト

 そもそも「ヤマザキ春のパンまつり」は、「日頃のご愛顧に感謝し、パンの消費の最も多い時期に、お客様への還元するため」という目的で1981年にスタート。ポイントを集めた人に、フランスのアルクインターナショナル(旧フランス デュラン)社によるオリジナルデザインの白いお皿を1枚プレゼントする内容は当時から変わっていません。交換枚数は去年は1400万枚、累計は4億6000万枚と、長きにわたって人気な企画であることが分かります。

特設サイトでは過去の「白いお皿」をエピソードともに一挙紹介

 Twitterでは2月20日、あるユーザーが「『ヤマザキ春のパン祭り』はフランスで有名らしい」とツイート。大量受注によって白いお皿を作る町は春に「好景気に沸く」ため、町民にとって喜ばしい企画として知られていると説明したもので、「意外と皿生産地でも歓迎ムードなのかww」「日本の奇祭がフランスの村を救う!」など日本のおなじみ企画が思わぬところに幸福をもたらしているエピソードとして、2万回以上リツイートされ話題となっています。

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 一方で「嘘ではないか」と疑問の声も。特に注目を集めたのが、2ちゃんねるの開設者・西村博之さんがうわさについて考察したブログ記事。アルクインターナショナルは公式販売サイトで白いお皿を1枚1.7ユーロ(約200円)で売っていることを挙げ、お皿は普段から大量生産され、高価でもないことから、うわさは「作り話の可能性が高いなぁ」と言及しました。

 ツイートについて山崎製パン広報部が販売代理店を通じて現地に聞いてみたところ、「パンまつりがフランスで有名だという話は聞いたことがない」との話。「町全体が好景気に沸くというのは言い過ぎでは? 確かに、雇用を生み出すことで町に貢献していただいていることは間違いないのですが」との答えが返ってきました。うわさはデマだったようです。

 広報部は「全く予期していませんでしたので、反響の大きさに驚いております。今後もお客様に愛されるキャンペーンを目指して努力してまいります」と、うわさがどうであれ引き続き「ヤマザキ春のパンまつり」の運営に努めていくことをコメント。フランスの事情はともかく、日本で「パンで白いお皿をもらう」イベントが36年続いているという事実に変わりはありません。

 同件は「ヤマザキ春のパン祭り」の知名度の高さを表す一方、ポジティブな内容であればデマも信じられやすいというネットの情報リテラシーの課題を示すエピソードとしても見て取れます。西村博之さんは先ほどのブログ記事で、「パッと見た情報を裏取りする前に、『嘘なんじゃね?』って気づくかどうかの注意力って結構大事」「『いい話なんだから作り話でもいいんです!』みたいなのはどうなのかなぁ」と難色を示しながら、「Twitterでまことしやかに嘘をつく人って、RTされるのを見込んでる愉快犯なのかなぁ、、と想像してみたりする昨今です」と締めくくっていました。

黒木貴啓

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