ニュース

昆虫が集まるコンビニを調べた中学生の自由研究 ネットの反響受け三重県総合博物館での再展示が決定

コンビニによってどうして昆虫の集まる量が違うのか――中学1年生の研究がTwitterで話題に。

advertisement

 昆虫が集まらないコンビニの条件について調べた中学生の自由研究が、Twitterで興味深い考察だと話題になっています。三重県総合博物館(三重県津市)に2日間だけ展示されていた研究だったのですが、このたび同館がネットの反響を受け、3月10日から4月10日まで再び公開することを発表しました。

話題の研究「虫が集まらないコンビニのひみつ」(写真提供:三重県総合博物館)

 研究は、津市立橋北中学校の1年生・西川充希(にしかわみつき)さんが夏休みの自由研究として作った「虫が集まらないコンビニのひみつ」。津市内のコンビニ39店舗を計64回調査して、コンビニごとに集まる昆虫の量や周囲の環境を観察。どのようなコンビニだと昆虫が集まらない傾向にあるか、虫の標本とともにポスターにまとめた内容です。

昆虫にとってサークルKサンクスはかなり人気の様子

 西川さんがコンビニの虫を調べ始めたのは、ある日帰宅してきたお父さんの車にゴマダラカミキリが付いていたのがきっかけです。車の虫はコンビニに寄ったときに付いた昆虫だと知り、西川くんも夜のコンビニへ足を運んだのですが、店舗によって虫が多いところと少ないところ違いがあることに疑問を覚え、理由を調べることにします。

advertisement

 お父さんの車で夜のコンビニを巡り、お母さんも調査に協力。各コンビニの昆虫の量、周辺の環境を調べつつ、簡易分光器や特定波長フィルターで店舗の照明を計測していきます。周りに植生が多いと集まりやすい、照明がLEDライトだと集まりにくい、店舗側が昆虫を寄せ付けないようUVカットフィルムを貼り付けたりしている、などなど傾向を分析した結果、コンビニに虫が集まるか集まらないかは「光」「周辺の環境」「コンビニの対策」の3点に左右されるという結論を導き出しました。

調査内容をびっしり書き記したポスター展示。西川さんが夏休みの間足で動いて調べた、努力の賜物です

 調査を終えて西川さんは、コンビニの昆虫を採集観察することは、その地域の自然環境の変化や対策を探る足がかりにできるはずだと考察。面白い着眼点を単なる好奇心に終わらせず、自分の足で取材し自分なりの結論を出した、素晴らしい研究となっています。一方で感想として記されている「虫が集まらないコンビニは掃除も楽で便利かもしれませんが虫が集まるコンビニもずっとあって欲しいと思いました」という一言も昆虫への純粋な愛であふれています。大人としても学び得るものが多い内容です。

研究の話題のきっかけとなったツイート

 西川さんは三重県総合博物館の「ミュージアム・パートナー」の会員として、3月5日・6日に同館が開催した発表会で研究の標本やポスターを展示。この際に来場者が西川さんの研究をTwitterで紹介し、約1万5000回リツイートされるなど大きく注目を集めました。

 研究は3月10日より同館の3階学習交流スペースに展示され、無料で鑑賞できます。また、3月27日に大阪府立大学で日本昆虫学会と日本応用動物昆虫学会が開催する小中高生のポスター発表会で、西川さんもコンビニ昆虫の研究を発表する予定。このため3月26・27日は三重県総合博物館での展示はお休みとなるのでご注意を(標本などはないが、ポスター展示はあるとのこと)。

黒木貴啓

advertisement

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】