大きいからこそいいんだよ! ビルよりでっかい「巨大娘」はここが魅力だ:あのキャラに花束を
めちゃくちゃ大きな女の子は好きですか? ぼくは大好きです。
DMMのゲーム「超巨大!ジュラシック娘」の事前受付が始まっています。恐竜を擬人化した、ビルサイズの巨大恐竜娘(ジュラシックむすめ)を保護し、育ててバトルするというもの。成人向けもあるよ、やったね。
いやあ、待ってましたよこういうの! 巨大娘本当にかわいい!!! ……とぼくは小躍りしていたのですが、ねとらぼではこんな記事があがりました。
「デカァァァァァいッ説明しろ!! 超巨大美少女を保護して愛を育む『ジュラシック娘』DMMより登場」(ねとらぼ)
「DMMは、われわれ人類にどんな愛情を求めているのだ。艦隊とのケッコンは理解できても、こっちは物理的に理解できぬ」
えっ、そんなばかな!……いや、うん、まあ、そりゃそうか。
でもそこそこ巨大娘ファンっているのですよ、需要あるのですよ。「説明しろ!!」と書かれているので、説明しようと思います。巨大娘はいいぞ。
巨大娘じゃないと味わえない魅力
巨大娘、通称GTS(Giantess)の魅力を、ぼくなりに整理してみます。
一つめは人を簡単に見下ろせる大きさであることです。絵的にビルと並ぶことができること、町の光景に溶けこむこと。そして、容易に街を破壊できること。
人工物との比較は必須です。なぜなら女の子のかわいさが街を圧倒しているという存在感が重要だからです。
巨大娘は人格がありコミュニケーションを取れるアトラクションのフェチズムだと、ぼくは考えています。となると、5mから70mの範囲がベター。重機から観覧車くらい。
ちなみにガンダムは18m、グレートマジンガーが25m、ウルトラマンが40m、コンバトラーVが57m、パシフィック・リムのジプシー・デンジャーが79m、イデオンが105m。100mを超えるとちょっとコミュニケーションは取りづらそうですが、航空写真を撮ると映えますね(サイズフェチには「2mくらいのリアルに大きい子」から「地球レベルで大きい子」まで好みがあります)。
二つめは大きすぎるが故に不自由が多いこと。大きいというのは、それだけで一般人社会においてデメリットが多い。街を自由に歩けない。一般人と一緒に行動できない。当たり前の娯楽を享受できない。
衣食住は困難だらけ。単純に人体と同じ構造だと考えたら、そもそも着るものがない。おしゃれなんてしようものなら国家予算を食いつぶしかねない。
住む場所は、山中か水中しか無い。人里で暮らすなら空港レベルに相当の幅を取らないといけない。食べるものは一食で数十人規模と、洒落にならない。
巨大娘の不憫さは、心をくすぐります。怪獣が身動き取れずに困っていたら、同情してしまうのと似ているかも。ましてやそれが女の子で、悲しそうな顔してたらねえ。見ている側のエゴなのはわかってるけどさ、応援したくもなるよ。
三つめは大きかろうが一般人同様の感情を持ち合わせていること。ロボットじゃない、あくまでも女の子。ひどいことを言われたら悲しむし、うれしいことがあったらほほえむ。一般人と意思疎通できるかどうかは重大なポイントです。言葉が通じるとベストですね。
目の前で、大きいかわいい顔がとっても明るく笑顔を見せたら。あるいははるか遠くにいるスカイツリーのような女の子がニコニコしていたら。下から覗かれて照れていたら。心に残ると思う。
四つめは、小さな人間がまさぐったり内部に進入できることです。これは巨大娘フェチならではのとても重要な部分なので、後ほど掘り下げます。
まずは「超弩級少女4946」を読もう
これらの解釈を、巨大娘の教科書とも言えるマンガ、東毅「超弩級少女4946」から見てみます。
ヒロインの「まな」は、身長49m46cmの女の子。このサイズで町を歩くと、家なんて簡単に踏み潰してしまいます。ビルなんて簡単にへし折れます。たいていの建物は、しゃがんでも窓を覗きこむのが困難です。走り回ると町一つ壊滅します。
彼女はとても不自由な生活を強いられます。大きすぎるが故に、着る服が最初から最後まで無い。布を縛って貫頭衣にしているだけ。パンツ一枚でも莫大なお金がかかるため、パンツ履いてません。
とはいえ彼女も思春期の少女。主人公の少年飛田マコトくん15歳と出会って、恋に落ちます。でも彼とデートしようにも行く場所がない。街は歩けない。乗り物にも乗れない。同じ教室に入ることも出来ない。一般人には邪魔者扱いされることすらある。
自由の無い彼女。組織から武器として駆りだされ、戦わざるを得ません。そりゃあ強いよね、でかいもん。
でもさ、大きいだけで普通の女の子だよ?
あまりに悲しい運命であるがゆえに、自分よりはるかに強くても「守ってあげたい」という思いがものすごい勢いでわいてくる。
巨大娘はロボットではありません、人間です。女性です。まなは、手のひらの上に彼を乗せて、真っ赤に照れます。彼が怪我をすると泣きます。
大きな女の子が喜び、泣き、恥じらい、怒り、嫉妬する。一生懸命頑張って、笑顔を向けてくれる。飛田君は、同情ではなく、本気でまなのことを愛するようになります。……といい話なんですが、作中では彼女が着ている布の中に間違えて入って探索してしまったり、描きおろし付録ではまなをローアングルから撮るため命がけで足元を駆けまわったりと、フェチズム探求に余念のない作品でした。
巨大娘とのコミュニケーションを描く手段として、「1/1艦娘」というものがあります。これは「艦隊これくしょん」の二次創作ジャンルのひとつ。艦娘が元々の軍艦のサイズだったら、というものです。吹雪で118.5m、赤城で250m。歩いたら波はザブンザブン。
公式アンソロジー「艦隊これくしょん -艦これ- コミックアラカルト 舞鶴鎮守府編 壱」では、ともつか治臣さんが1/1艦娘を描いています。でっかい艦娘たちに対して、小さな軍人たちが「がんばってこいよー!」と大声で叫ぶ。帰ってきた時「いくら軍艦扱いの君らとはいえ、年端もいかぬ少女にこのような無理をさせてしまった」と心痛めて語る。大きくとも、普通の少女たちへの、紳士な気づかい。そして戦いの女神への敬意。ぐっと来ます。
巨大娘が持つ多様なフェティシズム
巨大娘はフェティシズムの塊です。
- 体をあらゆる角度から見ることができる。
- 体の上を這いまわることができる。
- 髪の毛の中や衣服の中に潜ることができる。
- 飲み込まれることができる。
女の子をあらゆる角度から見る面白さは、D3 PUBLISHERの「THE 大美人」で堪能出来ます。ほんとこの会社は今も昔もこんなんばっかりや。もっとやれ。
巨大娘を、戦闘機に乗ってあっちこっちから撃つゲームです、が、真の目的は女の子の周りをグルグル回ることにあります。
自分が小さくなって女の子が大きく見えるスタイル(「シュリンカー」といいます)だと、ナムコの「ダンシングアイ」がわかりやすい。正確には巨大娘と違うんですが、女の子を見回すという点では、嗜好は同じ。女体のまわりを、ちっちゃい猿になって走り回り、衣服を切り取っていくゲームです。
このゲーム、2011年にPS3で新作が出ると発表されたのですが、非常にとってもものすごく残念なことに、開発中止になりました。なんでや。
女の子の体の好きなパーツあるでしょう? 脚とか。胸とか。腰とか。くまなく味わうには、相対的に自分より女の子が大きい方がいい。歩いているスカートの下に潜り込みたい願望も、女の子が大きければできる(やっちゃだめだけど(そもそもできないけど))。
もっともリアルに考えると、縮尺比で肌の毛穴なんかがひどいことになるんですが(「ガリバー旅行記」でも相対的にみた皮膚の粗さが描かれています)、そこはファンタジー。つるつるぷるぷるだと思いましょう。おっぱい先端からプルンと滑り台したいですね。
髪の毛の中に潜り込みたい、というのも願望の一つ。「パンツになりたい」とか「自転車のサドルになりたい」とか「椅子になりたい」とかと考え方は一緒。女の子の体にひっついていたい、というダイレクトな欲求です。女の子のいいにおいに包まれたならきっと、目に映るすべてのものはファンタジー。
飲み込まれたい
「飲み込まれたい」という嗜好もあります。ここは巨大娘好きの人でも大きく別れる好み。
昔「学研の科学」や「ひみつシリーズ」で、人体の消化器官を解説するために、博士と少年が小さい乗り物に乗って少女の体の中に進入する、というのがわりと頻繁に描かれていました。覚えている人いるかな? また「サガ2秘宝伝説」ではカイの体内に「ちいさくなーれ」を使って侵入するシーンがあります。
「進撃の巨人」のように食べられたいんじゃない。「侵入」したい。体内侵入嗜好は「女の子に包まれたい」「女の子の体の一部になりたい」「見えないところを見たい」という究極形の一つとも言えます。
「超弩級少女4946」では、飛田マコトが飲み込まれることで、巨大娘まながパワーアップする、というスタイルで戦っていました。脱出はどうするかというと、嘔吐です。巨大少女が苦悶するってのが、SM的にエロティックなんですよねえ。フェチの塊だ4946。
がんばれジュラ娘
「超巨大!ジュラシック娘」は期待の星です。
まあ、「色物」ですよ。でもね、描き方次第だと思う。以前から「城姫クエスト」や「御城プロジェクト」などの城擬人化ゲームがありました。もっとも大きくはないのですが、可能性は十分垣間見えていたはず。
城物で白眉なのが「戦国武将姫MURAMASA」のCR(キャッスルレア)。明確に巨大娘フェチを狙っています。
下から見上げるスタイルで、かなりでかいサイズの女の子を描いている。豊満女子からロリっ子まで幅広くカバーしています。景色の一部になることで、神々しさが強くなります。菩薩ですね。
ソシャゲだと巨大化した娘を元に戻す「でかむす」(サービス終了しました)というのもありました。また「ラグナストライクエンジェルズ」は、6人のヒロインが巨大化、銃器を持って謎の生命体と戦うという、なんともホットな巨大娘作品。今期30秒アニメ(CMみたいなもん)が製作され、2016年初夏にはスマートフォン・PC対応ゲームとしてリリースされます。ってこれもDMMじゃねえか! ナイス!
さて、ジュラ娘は、おそらく大きさがまちまち。恐竜だと「体長」で表現。トリケラトプスが9m、ティラノサウルスが12m、ブラキオサウルスが25m、スーパーサウルスが33m。あらゆるサイズを網羅できる、という点をうまく生かせば、今までの巨大娘作品にできなかった表現ができる、はず。5mくらいの、「不思議の国のアリス」が大きくなった時のような女の子もいれば、30m近い女の子の上を駆け回ったりアレしたりできるかもしれない。ああ、成人向けが楽しみだ。
これはヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展日本館のカタログについているフィギュア。相対的に街が小さく、少女が道路を踏み潰してしまっている。人間の「萌え」のサブカルチャーがどんどん大きくなって、文化の進歩がついていけなくなっている現状みたいだ。
オタク文化における「女の子」像は、実際の人間からはるかかけ離れて、萌えの肥大化が起き続けています。ここが日本人の想像力のたくましさ。最近だと、ケンタウルスやラミアやハーピィなどと恋愛する「モンスター娘のいる日常」がヒットを飛ばしたように、むしろ人間じゃないからいい、という楽しみ方も増えてきています。
最初はゲラゲラ笑わせてほしい。見慣れてきたら「かわいいじゃん……」と感じさせるゲームになってほしい。「ジュラ娘」さん、よろしくお願いしますよ。
(たまごまご)
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