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君には幸せに笑っていてほしい「くまみこ」のクマ・ナツに学ぶ女子中学生育成術あのキャラに花束を

ほんとうは淋しいんだけど、ボクは応援しているよ。

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 クマによる中学生子育て奮闘記物語「くまみこ」。主要登場人物が2人、という超ローカルスタイルアニメです。

ああ……もふもふや……(アニメ公式サイトより)

 東北の山奥に住む、しゃべるクマのクマ井ナツと、熊出神社の巫女の中学生雨宿まち。子供の頃から2人はずーっと一緒に育ってきました。なので多分年は同じくらい。

 最初はまちがこぐまのナツを育てていました。今はナツの方がすっかり育ち、まちの保護者がわりに(一応おばあちゃんとも一緒に暮らしていますが、ほとんど出てきません)。

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 作品自体は「世間知らずすぎるまちの、ドタバタ日記」です。かわいいけどさ、だめだよ、このままではまちが、何も知らない大人になってしまう!

 ナツが、思春期まっただ中少女をどう教育しているのかを見てみましょう。

そもそもまちとはどんな子か?

アイヌ風巫女服が最高にかわいい、ちょっと幼い中学生(アニメ公式サイトより)

 まず、まちがどんな子か簡単にさらってみます。

(関連記事:ぼ、ぼくもクマになる! 日本一の世間知らず、だけどしまむらには異常に詳しい「くまみこ」の雨宿まちを応援しよう

 素直で明るくて純朴な少女。巫女衣装がめっちゃかわいい。村のじいちゃんばあちゃんにはすこぶる愛されています。ただ彼女、村にすらそんなに顔を出さず、熊出神社に引きこもっているので、驚くほど何も知らない。

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 電気釜でご飯がたけない、パソコンはマウスもキーボードも分からない、ガラケーを最近ゲットしたもののほとんどメールも電話もしたことがない。そもそも電子機器全般が怖い。最近やっとテレビの入力切替ができるようになりました。MDに録音できるようになりましたが、ソニーはMD事業から撤退してます残念。

 Suicaを知らない、ショッピングモールが怖い、エスカレーターに乗れない、人混みで立ちすくむ。電車に乗れない、乗り換えができない。人に話しかけられない、村の人にあいさつをするのすらもまだ慣れない。

 あ、「ファッションセンターしまむら」についてだけは、異常に詳しいです。

 決して内気な子じゃない。けれどもナツがいないと本当に何にもできない。クマは悪くないよクマだもん。

 ナツは現状をよしとはしません。まちは、いろいろ覚えねばならない。

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愛を注ぐくま

 ナツはまちに、惜しみなく愛情を注いでいます。彼の行動は常に「まちに喜んでほしい」「笑ってほしい」。

 まちはあまり人と接しようとせず、幼少期からナツと過ごしたいと言い続けてきた子。ある程度ナツはそこを理解し、彼女が寂しくならないよう全力を尽くします。

君が笑ってくれるなら、ピエロにだってなれるよ(6巻88ページ)

 でも、ずっと一緒にいようね、とは言えない。

 ナツは極めて情報収集能力に長けたクマです。テレビを見て、パソコンを操り、ブログやTwitterを使いこなしています。山奥でもできるネットショッピングで、悠々自適な生活。都会の様子も、まちよりはるかに知っています。ヴィレッジヴァンガードだって知ってるんだぜ。

 その一つ一つを、まちに教えようとしますが……まあ時間はかかるよね。彼は「ユニクロでヒートテックを買って来る」などお題を出します。今のところ「完璧クリア」はできていません。

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ありのままの。

 雨宿まちという子、コンプレックスがものすごく強い。ナツと2人でいる時はのびのびしているし、日々の生活は満ち足りている。苦しい状況では決してありません。むしろいろいろな人に愛されていて、恵まれています。本人は分かっていないですが。

 酒田響というお姉さんがいます。ヤンキーっぽいけど素直なよい子。いとこのお兄さん雨宿良夫の計らいで、彼女がまちの最初の友人になる……はずでした。響は別に嫌がっていないのに、まちが1人でビビってしまい、全然会話が成立しない。

 対人関係を構築するのが極端に苦手です。普段はクマのナツや、良夫とはきちんと会話ができている。単に人見知りなだけです。

 その原因をナツは分かっていました。彼女は自信がない。一般常識を知らず、歳相応の娯楽も分からず、新しい機械を触ることもできない。自分は田舎者だから、他の人にバカにされているんだ、と被害妄想に襲われ続けている。

 ナツは、常に彼女を励まし続けています。

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ふと思い出す、ナツの言葉(6巻75ページ)

 君は、君のままでいいんだよ。心配をなくすには、新しいことに挑んで達成感を得るしかない。でもできない。できなくてもいい、がんばった事実が大事だというのを、ナツはちゃんとわかっています。だからかわいい子には旅をさせ続けます。

すこしずつ受け入れる姿勢

 最初、ナツはまちが外の高校に行くのを反対していました。というのも、あまりに世間知らずすぎて、学校に行くことすら困難だと分かっていたからです。事実、原作6巻ではまだ外の学校にたどりつけていません。

 ナツは人間ではない。山にいなければいけない。まちが外に行くのは正直ものすごく淋しい。できれば出て行ってほしくない。

1巻のころのナツ。そうだよ、行ってほしくないのは、本音だよ(1巻15ページ)

 1巻の頃は、できないからダメ、まちの気が進まないのならむしろ行かなくていい、というスタンスでした。しかし6巻になると、「まちが将来何を望んでいるか」の後押しを、彼の方から進んで考えるようになります。まちを引き止めたい、という自分の気持ちを恥入り、必死に思いの型を変えようと努力し続けている。

 まちは「都会」に憧れているだけ。新しい世界に飛び込んで知見を広めたいわけじゃない。だから実は無理して村を出なくても「幸せ」にはなれる。周囲の村人たちのように。

 それでも「行く」と言うのなら、こっそり迷わないためのレールを敷いた上で、外に放り出して経験を積ませます。

 すごくゆっくりながら彼女は成長している。都会の人に石を投げられる、と不必要におびえなくなった。村の人に自分からあいさつできるようになった。

ほんとうはとても淋しいんだけど、ボクは応援しているよ(6巻138ページ)

 今はすっとこどっこいな日々を2人で送っています。とっても楽しいよ! 永遠に続けばいいのにね。けれどいつか変化しないといけない。

 この作品は、少女が独り立ちし、ナツが子離れしていく物語。まちののびのびとした成長の裏には、ナツのぐっとこらえた哀しみと、幸せを願う喜びが隠れています。

 もしまちにちゃんとした彼氏ができたら、どうするんだろう。3巻ではまちが不幸せになるイメージしかしていなかったけど、そんなことはないはず。きっと、いろいろな感情をぐっとこらえて、笑顔になるんだろう。がんばれ、ナツ。

(C)吉元ますめ

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