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記念撮影のために牙を抜かれ……スローロリスの過酷な状況、タイの保護団体が語る

保護団体が、野生生物を写真撮影の小道具にする活動は支持しないよう呼びかけています。

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 歯を抜かれたスローロリスが保護された――タイの動物保護団体Wildlife Friends Foundation Thailand(WFFT)がこのような報告を7月初めにWebに掲載しました。その中で、スローロリスの置かれている過酷な状況を明らかにしています。

保護されたBoris(WFFTのWebサイトより)

 同団体で保護されたのはBorisと名付けられたオスのベンガルスローロリス。サムイ島のビーチで発見されて別の野生生物保護団体に引き渡され、WFFTへと来たそうです。そのビーチは観光客が多く、写真撮影の小道具として違法に野生動物を使っている業者もよく訪れているとのこと。Borisもそうした業者のもとにいた可能性が高いようです。

 WFFTの獣医が調べたところ、Borisは牙が抜かれ、手首が折れ、ダニだらけの状態。野生のスローロリスは罠で捕らえられることが多く、ケガはそのためかもしれないと同団体は考えています。また、特に撮影の小道具に使う場合、客にケガをさせないようにスローロリスの牙を抜いたり折ったりすることがよくあるとも。スローロリスは毒を持っており、かまれると重傷を負うこともあるからです。

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牙が抜かれている(WFFTのWebサイトより)

 ベンガルスローロリスは密猟や生息地の減少により絶滅のおそれがあるとされています。森林伐採などにより生息地が減っているほか、ペットとして人気があることなどから密猟も行われています。

 Borisは牙がないため野生に戻すことができず、WFFTで世話をすることに。「Borisは木に登り、ちゃんとした食べ物をもらい、仲間と過ごすことができ、観光客や観光客相手の業者に扱われることはもうない」と同団体は語り、このような違法な活動は支持せず、見かけたら同団体や当局に知らせるよう呼びかけています。

 また数日後にはペットとして飼われていたスローロリスの健康状態が悪化し、WFFTへと飼い主が持ち込む出来事もありました。「野生生物は野生のままに。ペットにしないでほしい」(同団体)

健康状態が悪化して持ち込まれたスローロリスの「Chin」

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