世界が認めた健康美 「ポケモンGO」で、ぼくはトレーナーちゃんのためにポケモンをゲットしたいんだ:あのキャラに花束を
あくまでもアバターでしかない「トレーナーちゃん」、なぜこれほど人気に?
猫も杓子も「ポケモンGO」な昨今みなさまいかがお過ごしですか。ぼくもスマホがブブッという度に道の隅に立ち止まってポケットから取り出し、ポケモンを探しています。
どのポケモンが好きかというと……どれも甲乙付けられるものじゃないですね、なんでもゲットできるとうれしい。
ただ、このゲームでぼくが飛び抜けて魅力を感じているキャラがいます。それはトレーナーちゃんです。要はプレイヤーキャラクターです。
トレーナーちゃんのここがすごい
名前はありません。あくまでもプレイヤーのアバターとして2種類のキャラがいるだけです。ある程度のカスタマイズは可能ですが、基本形は変わりません。とりあえず「トレーナーちゃん」と呼ぶことにします。デザインしているのはコザキユースケさんのようですね。
このキャラ造形が半端じゃなく良い上に、いろいろ設定を考えさせてくる。どこが良くできているか、あげていきます。
1:キャップ+ポニーテールの破壊力
「キャップっ子」は昔から潜在的に人気があるスタイルです。もっとも「ポケモンだから」というスタイルなんですが、あらためて形にされるとパンチ力あります。
キャップをかぶっていると、それだけで明るさ、元気さ、活発さが強調されます。これに加えてキャップの後ろからポニーテールを垂らすという、少年たちの夢を形にしてしまいました。甘酸っぱいもの、こみ上げてくるでしょう大人の皆さん。
ぼくは真っ先に野球部のマネージャーを連想しました。高校野球でキャップ+ポニーテールを見てときめいた経験がある人なら、胸がキュンキュンする。そもそもアウトドア盛んに行く人じゃない場合、大人でこのスタイルあんまりしないもん、青春のスタイルなんだよ。
あと、球場のビアサーバー持ってるお姉さんも連想しますね、おっさんとしては。
2:レギンスと短パンのガチンコスタイル
腰つきがいいんですよ。というか下半身がいい。キュートなキャラデザをめざす際、脚をどうするかというのは難しい問題だと思います。ポケモンを探しに歩きまわるとしたら、スカートは論外としても、長いパンツのキャッチーさを表現するのはこのローポリでは難しい。
そこにきての、半ズボン+レギンス。タイツじゃなくレギンス。間違いなくスポーツ・アウトドアスタイルです。「この子は歩くよ!」というベストチョイス。
服装は相当考えたと思います。上半身は適度に色気を感じさせつつ、下品ではない。全身を見ると昔からのウォーキングスタイルを踏襲しつつ、ちょっとオシャレな形状。背中のリュックと腰のベルトがうまいこと身体に引っ掛かって、彼女の身体バランスをうまく表現しています。
3:年齢不詳なトレーナーちゃん
世間一般が抱く「ポケモン」のイメージと違って、頭身が高い「ポケモンGO」のキャラクターたち。なので最初、19くらいの大学生のお姉さんなんだなとぼくは受け取りました。研究者っぽいですし。
ところがよく見てみると、なにかおかしい。
顔わりとベビーフェイスじゃん? 12歳くらいに見える。こういう小学生いますよ、ちょっと成長が早くて背が高い子。「のんのんびより」のほたるんみたいな子。っていうかアメリカの12歳だったらこのくらいの子多いのでは。
逆に社会人にも見える。こういうアラサーのお姉さんいる。めっちゃいる。公園のウォーキングとかで。週末の休日に美容と健康を兼ねてポケモン探ししているスタイルに見えるし、そうであってほしい。
ゲーム・アニメの「ポケモン」のパラレルワールドです。今までこうだったから、という常識は通じない。これらのキャラは一体どういう経歴なんだろう? 「トレーナーちゃんはどういう日々を送っているんだろう?」「トレーナーくんの家ってどんなのだろう」「ウィロー博士に抱かれたい」など、想像がふくらみます。
4:男性でも女性でもない
「ポケモンGO」の2人のキャラクター、男性女性、という表記が一切ありません。「性別」という言葉も使われていません。
ではなにかというと、「スタイル」。あくまでも「どういうスタイルで生きているか」の外見だけの選択になっています。
これはすごい。世界にはいろんな性があって、ポケモンGOのキャラはそのどれでもある、として作られている。
逆に返すと、それだけ自由に受け止めていいわけです。
トレーナーちゃんのために歩きたい
自分をトレーナーに反映させてもいいし、眺めるように楽しんでもいい。単なる目印と考えても、もちろんいい。このあたりはMMORPGと同じです。ただそれほどカスタマイズできないので、好みの反映というよりは、「ポケモンGOのトレーナー」というキャラクター性はどうしても際立ってきます。
ぼくはポケモン探しに歩く際、「ぼくが歩いている」わけではなくて「トレーナーちゃんがポケモンを探すための動力となるために歩いている」イメージ。歩いたり走り回ったりするトレーナーちゃんのために、ぼくは歩く。
ぼくの考えるトレーナーちゃん設定はこう。「二十代なかば」「普段は会社で事務をやっている」「趣味はプロレス観戦」「ビールが好き」「ウィロー博士にないしょの片思い中」「週末トレーナーなのであんまり勝てないけど地道にやろうと思ってる」「ウィロー博士しか見えていないのでナンパされても気付かない」「どうにも残念お姉さん、とニャースには思われている」。
がんばれ、トレーナーちゃん!
トレーナーちゃん、みんなの心をわしづかみ中
pixivやTwitterでは、もりもりトレーナーちゃんのイラストがアップされています。それぞれの「マイトレーナーちゃん」が如実に見えるのが面白い。ノーマルスタイル(上下赤で茶髪)が人気ですが、褐色+金髪のギャルスタイルがコア層にヒットしています。
また、トレーナーちゃんのコスプレで本気出している女性ポケモンGOユーザーのイラストも投稿されています。あの格好したいもん、本気出して歩いてのめりこみたいですもん。トレーニングしているように見えるから、ポケモンGOやってるようには見えな……こんだけ普及したらバレるか。
そのうち、コスプレじゃない「ポケモンGOプレイ用ファッション一式」が2種類、カラーバリエーションありで世界で販売されるんじゃないかと、踏んでいます。
もしかしたら、アバターが今後追加されて全く別のトレーナーちゃんが生まれるかもしれません。けれども、初期アバターである、キャップポニーテールのトレーナーちゃんは、きっと多くの人の心に残り続けるはずだと、ぼくは信じつつ、今日も町を歩きます。ポケストップ増えないかな。
(たまごまご)
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