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コミケでのストーカー対策に「おっさんレンタル」を利用したリポート漫画が大団円 新しい形の人間関係?

ストーカー化した客に悩まされていた女性漫画家が、おっさんに売り子を頼むことで心底コミケを楽しめたというお話。

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 漫画家のいづみみなみさん(@idumi_minami)がTwitterに投稿した漫画、「夏コミにて『おっさんレンタル』で売り子をお願いした話」が注目を集めています。コミケなどのイベントに出没するストーカー対策に、「おっさんレンタル」を利用したというこのレポート。そもそもなんなんだろうこのサービス……?

第1話のツイート。2話以降とは連鎖ツイートになっているので、続けて最終話まで読めます
「いざ尋常におっさんをレンタルする!!」――キャッチーなせりふから始まる(第1話1ページ)

 「おっさんレンタル」とは、文字通り中年男性を人材として借り、さまざまなお手伝いをしてもらえるサービス。レンタルできるおっさんは経営者や投資家など社会的立場の高い人ばかりで、それぞれお願いできる仕事の範囲が異なります。

ドラマ「ゆとりですが、なにか」にも登場したという、「おっさんレンタル」

 作者は4年ほど前から、イベントに客として訪れる男性のストーカー行為に悩まされていました。男性はスペースに来ては30分以上わめき散らし、昨夏には作者へ脅迫メールを送る暴挙に出たそうです。警察に相談したものの、解決の糸口がつかめぬまま2016年も6月に。夏コミ開催を前にして、作者が同性の友人に相談したところ、紹介されたのが「おっさんレンタル」でした。過去の経験上、当該男性は、ほかの男性がそばにいると寄ってこなかったそうなので、おっさんをレンタルするのは確かに有効そうでした。

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作者が受けていたストーカー行為(第1話2ページ)
衝撃的な出会い(第1話4ページ)

 早速サイトを閲覧し、「おっさんをカートに入れる(レンタル権を購入する)」「少年の心をもつうんちマン(あるおっさんの登録名)」などの謎ワードに翻弄される作者。しかしおっさんたちのプロフィールを読むにつれてサービスの内容に納得し、「あなたのお手伝い人」こと井上さんを指名します。彼に売り子を頼むことにして、いざコミケへ!

レンタルされる男性たちは創業者が厳選して採用したという(第2話1・2ページ)
選ばれた井上さんのプロフィールページ

 当日現れた井上さんは、作者いわく「親しみやすく親戚のおじさんといった趣」。もともとは会社員でしたが、阪神大震災直後に神戸へ移住して被災家屋の修理を請負い、その後も多くのボランティア活動にいそしんでいるそうです。仏かよ!

井上さん登場(第4話2ページ)
井上さんの来歴(第6話2ページ)

 そんな井上さんですが、混雑具合などコミケの実情に関する知識は皆無。現場の人波にぼうぜんとしつつ、翌日も同人誌の買い物代行でレンタルされていることを明かします。何も知らない、善意の固まりのような中年男性が、連日コミケに来るというのか……。

衝撃の告白(第4話4ページ)

 いよいよコミケは開場。人生経験豊かな男性が売り子をする安心感のもとに、販売は順調に進みます。そして本来の問題であったストーカーですが……なんと来ませんでした。作者は、スペースにいる井上さんを見て近寄らなかったのだろうと推測。件のストーカーに限らず、「いつも必ずいた変な人たちが周囲から『消えた』」と語っています。おっさんの威力すごい。

井上さんを恐れてか、ストーカーは来なかった(第7話2・3ページ)

 いづみななみさんはここ数年のストーカー被害で、同人イベントでは命の危険すら感じていたそうです。一時期は、好きだった萌え絵すら見るのが辛くなり、イベント中は呼吸が浅くなったほどでしたが、今回井上さんがいてくれたことで全て解消。「イベントが楽しい」「コミケってこんなに素敵な場所だったんだ……」と、何年も忘れていた感情を吐露しています。本当によかったですね。

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井上さんのおかげで、コミケの楽しさを思い出すいづみななみさん(第7話4ページ)

 万単位のリツイートが集まった反響について、「気軽に投稿したものだったので、びっくりしました。いろんなかたに読んでいただけて本当にありがたいです」とコメント。「おっさんレンタル」を「新しい形の人間関係」と評し、機会があればまた利用したいと編集部の取材に答えてくれました。

 なお、作者は制作にあたり、事後も井上さんとやりとりを継続。最終話では、無事買い物代行をやり遂げた井上さんからのメッセージなど、後日談が語られています。井上さんも幸せそうでよかった!

おっさんレンタルの意義が語られ、漫画は締めくくられる(第7話4ページ)
画像提供:いづみみなみさん(@idumi_minami

(沓澤真二)

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