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「BLOOD+ 10周年ファンミーティング」レポート&キャラデザ箸井地図インタビュー(1/3 ページ)

新作小説「BLOOD♯」などの発表も行われました!

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 2005年から1年間放送されたアニメ「BLOOD+」の放映終了10周年を記念する「BLOOD+ 10周年ファンミーティング」が9月10日、都内で開催されました。

 同作の監督・シリーズ構成を務めたProduction I.Gの藤咲淳一さん発案で開かれたファンミーティングには、抽選で選ばれたブラプラファン70人が集結。当時制作スタッフだった匿名のアシスタントさんもかけつけ、会場は熱気に包まれました。

オリジナルドリンクで乾杯するファンたち

 「ディーヴァのために……」と作中のせりふを引用した乾杯で幕を開けた第1部では、アニメ「BLOOD+」の企画がいかにして立ち上がったのかが講義形式で語られました。原点となる「BLOOD THE LAST VAMPIRE」のゲーム版総監督を担当したことから「BLOOD」シリーズとの縁が始まったという藤咲監督。その後も攻殻機動隊などさまざまな作品の脚本を担当していましたが、2004年10月15日転機が訪れます。

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まさかの舞台設定からスタートしていた「BLOOD+」

 「BLOODシリーズの新作をやること」が決定し、11月頃には「黒井ツバサ」という企画が始動。当初は「BLOOD THE LAST VAMPIRE」の流れをくんだ作品になる予定で、東京多摩地区から青森県三沢を目指すという「暗い物語」が検討されていました。

 そんな中、毎日放送の竹田 青滋プロデューサー(現・編成局長)から「僕は戦争が嫌いなんです」という話を受けたことで、戦争と経済という視点で「ロスチャイルド家を題材にしてみたら面白いのではないか」という意見が飛び出し、「陰謀と戦争」という方向に進みます。このロスチャイルド案は「お金は世界の血である」という考えから着想を得たとのこと。

当時の記憶を語る藤咲監督(左)匿名希望の元アシスタントさん(右)

 その後舞台が“沖縄”で決定し、スタートを切った「BLOOD+」。当時について匿名のアシスタントさんは「最初は24話完結と聞いていたのが、気付けば50話になっていて。設定数のことを考えて絶望していたので、この辺りはよく覚えています」と笑顔で話します。藤咲監督も「当初アニプレックスさんからお話をいただいた時は2クールだったね。でも毎日放送さんでやる。しかも『土6枠(土曜日18時のアニメ放送枠)』でやる、ということになったから50話の1年ものになったんだった」と振り返りました。

アニメ初監督作品となった「BLOOD+」に対して腹をくくったという藤咲監督

 企画の骨組みが決まっていく中「(脚本は担当していましたが)アニメの演出経験もないし、現場経験もないけれど、竹田さんを信じて“沖縄の物語”をやってみよう」と腹をくくった藤咲監督は2005年1月28日、スタッフ4人を連れて沖縄へ。

筆者が沖縄で撮影した「OMORO」のモデル店ミッキー(現在は移転して営業中。写真は移転後のもの)

 この頃には作中重要な鍵となる沖縄料理店「OMORO」のモデルとなった店舗などを決定し、キャラクターの設定も固まってきたそうです。沖縄取材終了時点では、後に主人公・音無小夜(おとなしさや)の兄として物語の中心人物となる宮城カイが「日本人と黒人のハーフで武器の密輸をやっている」という設定で進行していたという裏話も語られ、会場は笑いに包まれました。

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箸井地図さんが10周年ファンイベントに寄せたイラスト

 キャラクターデザインを担当した箸井地図さんの起用については「Webで箸井さんのイラストを見た時に、骨格のある絵が描けるな。この人の絵を動かしてみたらどうかな」と感じ、まず「小夜」など数点のデザインをお願いしたといいます。

 掲載はできませんがスライドで投影された小夜の初期デザインは決定稿のデザインに近いものがあり、この時点から小夜のイメージは固まり始めたのだなと感じました。一方ハーフ案が破棄されたカイのデザインは目元がやや鋭く岡村(作中登場するジャーナリスト)そっくり。「成長したら岡村になりそうな顔ですが……もっとタレ目の方がいいのかな」という箸井さんの走り書きも残されていました。

 さらにヴァン・アルジャーノのモデルとなったのは俳優の及川光博さんであることが明かされたり、本編には登場しませんでしたが25歳になりジョージ風に髪を結んだカイや、顔はリクで眉はディーヴァ似というディーヴァが残した双子のイメージイラストも公開され、第1部は大盛り上がりで幕を閉じました。

会場で提供されたオリジナルドリンク左から「赤い盾」「シュヴァリエ」「シフ」
メニュー表もこだわりが光る!
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