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イグアナにカメレオンにヘビ! は虫類カフェでとってもキュートな“はちゅ”たちと触れ合ってきた

イグアナを抱っこしたり、ヘビを肩にのせたり……は虫類と触れ合えるカフェ「はちゅカフェ」では虫類の魅力を味わってきました。

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 犬や猫と違ってマニアックなペットというイメージのあるは虫類。また、は虫類の外見が苦手という人もいるだろう。一見とっつきにくい印象のあるは虫類が、実はアイドル級にかわいいことを教えてくれるカフェ、その名も「はちゅカフェ」が2016年6月に東京・吉祥寺にオープンした。子どものころ、実家の庭でトカゲやカナヘビを捕まえていた程度にはは虫類に興味のある筆者。さっそく行ってきた。

 吉祥寺駅から徒歩約8分。オシャレな雑貨屋やレストランが立ち並ぶ中道通りの2階に「はちゅカフェ」はある。


はちゅカフェ

 明るく小奇麗な店内にはシンプルなテーブルと、は虫類たちが入った水槽がずらり。手前の水槽にはエボシカメレオンや、フトアゴヒゲトカゲ、グリーンバシリスクなどの大型のは虫類、奥の水槽にはヘビやヒョウモントカゲモドキが身を潜めていた。ここでは、チャージ料を500円(税別)払い、ドリンクを頼めばは虫類との空間を楽しめる。なかには触れ合える個体もおり、触れ合いを希望する場合は別途500円(税別)が必要となる。週末や祝日など混雑時以外は時間制限はないが、混んできたら譲り合いを。

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はちゅカフェ店内

グリーンバシリスク。イケメン

エリマキトカゲ

ヒョウモントカゲモドキ

コーンスネーク

 生き物がいる空間はにおうと思いがちだが、店内はいたって無臭だ。その理由について、自宅で30匹ものは虫類を飼育中の店長、平山宗隆さんはこう語る。「犬や猫といったほ乳類と違い、は虫類には汗腺がないんです。だから、きちんとトイレを掃除していればほぼ臭いません。体毛も生えていないので、動物アレルギーもないんですよ」

 そう言ってマルティーニブルーイグアナのアオマメちゃんを肩に乗せ、首の部分に鼻を押しつけてにおいをかぐ平山さん。「無臭ですが、『干した布団の匂いがする』というお客さんもいますね」

 筆者もアオマメちゃんのにおいをかいでみたが、確かに無臭だった。触れてみると、ゴツゴツとした高級ハンドバックのような表面の手触りがたまらない。背中に生えているとさかのようなものは、固い植物の一部のような感触。ずっとなでていられそう。

店長の平山さんとマルティーニブルーイグアナのアオマメちゃん

けっこうデカい

ゴツゴツした表面

 筆者も触れ合いたくなってきたので、アオマメちゃんを抱っこ。後ろ足と前足を持ち、顔を後ろ足よりも上に持っていくのが正しい持ち方。ずっしりとした重みがあるが、暴れることなくおとなしくしている。見たことはないが、恐竜ってこんな感じなのかな、と思った(最近は恐竜には体毛が生えていたという説もあるが)。


マルティーニブルーイグアナのアオマメちゃんと筆者

 続いて抱っこに挑戦したのは、ボールパイソンという種類のヘビ。コーンスネークという種類の次に人気のヘビ種だ。抱っこした子は女の子で名前はドロンジョちゃん。平山さんが手に取ると、ぐるりと体を腕に巻き付けてきた。つぶらな瞳がかわいらしい。頭と尻尾の方は細いが、お腹のあたりはずんぐりむっくりな体型。触れてみると、ざらついているのにささくれのような尖ったざらつき感ではなく、一枚一枚のうろこの先が丸みを帯びていて、触り心地抜群。思わず頬ずりをしたくなるほどの愛され美肌だ。実家がド田舎なので、野生のヘビの姿はよく見かけていたが、ヘビってこんなにかわいかったっけ? とうっとり。

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 ひとしきり愛でた後、ドロンジョちゃんを平山さんに首にかけてもらった。肩こり対策のネッククッションを乗せたような重みを感じた。このとき注意することは、ヘビがびっくりしてしまうので、顔の前に手をかざさないこと。一瞬、このまま首を絞められたらどうしようと思ったが、ヘビは獲物にかみ付いてから絞め上げていくとのことで、かまれない限り大丈夫だそう。下の写真では、ドロンジョちゃんの首に手を添えているだけで力は入れていない。ドロンジョちゃんは自力で上半身を宙に浮かせているのだ。よく考えるとものすごい腹筋(?)力。ヘビの筋力をあなどってはいけない。


ドロンジョちゃんと筆者

ドクロのマークに見える模様がチャームポイント

 オープンして1時間ほどなのに、既にお店はいっぱいに。土日は特に混むという。そして、お客さんの大半が女性だ。

 「昔は、は虫類は気持ちが悪いという方もいました。それに、エサがコオロギや冷凍マウスなので、は虫類はかわいくてもエサがダメだという方も。でも、今は人工のペットフードが開発され、一部のは虫類は人工のフードでの飼育が可能です。そのようなこともあり、は虫類と触れ合うハードルが下がったせいか、女性のは虫類ファンも増えていますね。お店に来られる方の7割は女性です」(平山さん)


ぶら下がっていたオウカンミカドヤモリ

フトアゴヒゲトカゲ

アカメカブトトカゲ

 私も今までは生き物の中で猫が一番かわいいと思っていたが、接してみては虫類、通称「はちゅ」たちのかわいさにずきゅんと胸を打たれた。二股になった指で枝をつかむエボシカメレオン、大きな瞳でぱちっと瞬きをするヒョウモントカゲモドキ、だらんとリラックスして枝に体をあずけるエリマキトカゲ……。こんな独特でシュールなかわいさがほかの生き物にあろうか!(いや、ない)

 今までは虫類がペットとしてメジャーにならなかったのは、は虫類に関する知識が浸透していなかったことも理由の1つだと平山さん。

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 「私がは虫類を好きになったきっかけは、リクガメのターボ君をホームセンターのペット売り場で購入したことに始まります。私が初めて飼ったは虫類がターボくん。でも、この子のお腹側の甲羅の中心をよく見るとズレていますよね」

 ターボ君をひっくり返してお腹を見せてくれた平山さん。確かに、片方にむかって中心の線がズレている。

 「ペット売り場の方でも、は虫類の飼い方を熟知していない人が残念ながらいるのも事実です。この子は狭い水槽内で飼われ、ライティングなども適切でなかったため、甲羅の中心がズレたまま成長してしまったと予想されます。でも、うちで飼い始めてからはだんだん中心線が戻ってきました。それで、は虫類の魅力と飼い方をもっと多くの人に知ってもらえたらと、は虫類専門ショップで修行を積んだ後、『So that all of the reptiles can live happy.』、全てのは虫類が幸せになりますように、というコンセプトでお店を始めました」(平山さん)


リクガメのターボ君。今は広いスペースでのびのび

平山さんのTシャツにはコンセプトのキャッチコピーが。モデルはターボくん

 どんなには虫類への愛があっても、飼い方や習性を知らないと、過去のターボ君のように甲羅の中心がズレてしまうなどの健康被害が生じてしまう。そんな事態になってしまわないよう、はちゅカフェでは飼い方についてアドバイスもしてもらえる(現時点では生体の販売は行っていない)。草食系のは虫類はほぼ毎日エサやりが必要だが、ヘビなどの肉食系は1週間から10日に1回程度。与え過ぎも肥満につながり健康によくないそうだ。寿命はイグアナが15年くらい、ヘビは20年近く生きる個体もいる。また、イグアナは人の顔を見分けることができたり、自分の名前を覚えたりと猫並の知能があり、トイレまで覚えるという。そういったは虫類に関する知識をたくさん平山さんに教わった。

店内には作家さんとコラボしたは虫類のイラストも

 はちゅたちのかわいさに悶えただけでなく、生態や飼い方について初めて学ぶことばかりだった。今までは虫類に抵抗を感じていた人でも、実際にかわいらしいはちゅたちと接すると、その魅力にとりつかれてしまいそうだ。

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 犬や猫とはまた違った魅力がいっぱいのは虫類。飼うきっかけはペットブームでもかまわないが、は虫類についてきちんと理解し、人もは虫類も幸せな暮らしを送ってもらいたい。癒しだけでなく多くの知識も養えた「はちゅカフェ」だった。

はちゅカフェ

住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町4-6-3

営業時間:12:00~20:00

定休日:不定休

電話:0422-27-6798

URL:http://turboreptiles.co.jp

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