客室に置かれた本に南京大虐殺を否定する内容……APAホテルが海外で炎上、指摘する動画は2日で7000万再生超
本のタイトルは「理論 近現代史学II 本当の日本の歴史」。※追記あり
「客室に置いてある社会時評エッセイに南京大虐殺を否定する内容などが載っている」とする動画が中国SNS「微博(ウェイボー)」に投稿され、ホテルチェーンのAPAホテルが海外で炎上しています。1月15日に投稿された動画ですが、再生数は既に7000万超となっています。
この本のタイトルは「理論 近現代史学II 本当の日本の歴史(英題・THEORETICAL MODERN HISTORY II The Real History of Japan)」。APAホテルグループの代表を務める元谷外志雄さんが「藤誠志」というペンネームを使い、日本語と英語(それぞれ90ページほど)で同様の内容を書いたもの。「日本は観光大国を目指せ」「『新都市型ホテル』はいずれ世界のスタンダードになる」など、ホテルや観光に関するものに加え「民主党政権三年三ヶ月の責任」「日本は一丸となって歴史戦に立ち向かえ」「アジアの平和のために、安倍政権の長期化が必要だ」など、政治的な主張を含んだ内容となっていました。
本には南京大虐殺ついて「(当時の南京の人口などから考えて)あり得ないこと」「“南京大虐殺”の被害者名簿はただの1人分も残っていない」など複数の箇所で触れており、従軍慰安婦問題についても「まず日本が阻止しなければならないのは、従軍慰安婦の記憶遺産登録とさらなる従軍慰安婦像の設立だ」として言及しています。
投稿者のアメリカ人女性は「彼(元谷外志雄さん)には自分の本をホテルに置く権利もあるし言いたいことを言う権利もあるが、彼はアパホテルに泊まる韓国や中国の宿泊客からお金をもらっており、これらのお客は彼の政治的見解も、自分たちが払ったお金がどこに行くかも気づいていない。失礼だし不誠実だと感じた」とコメント。投稿者と一緒に日本を旅行したと思われる男性は、動画の中で「(本のことを)知っていたらこのホテルは予約しなかった」と中国語で話しています。
また、動画を投稿した理由について「あくまでもホテルを知ってもらうために投稿したもので、日本や日本の人たちには関係ない」「日本旅行は楽しかったし、日本人は礼儀正しくて親切だった」と説明しています。
現在APAホテルのサイトはサーバが停止し復旧作業中となっており、一部では「中国旅行代理店が取引を中止している」などのうわさも。編集部では現在、APAホテルに対し、今後の対応などについて取材を行っています。
追記
アパホテルからの回答があったため、以下の記事にまとめました。
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