キリン「氷結」のWebアニメCM公開中止で議論を呼ぶ 理由は「アニメだから」?
公開再開の予定は無いとのこと。
キリンのアルコール飲料「氷結」のWebアニメCMがクレームにより公開終了となっていたことが分かり、公開再開を願う署名活動が有志により展開中です。そもそもなぜ公開終了となったのか、「氷結」を販売するキリンに話を聞きました。
問題となっているのは2016年8月2日から公開が開始された「氷結」のCM(関連記事)。「キルラキル」「リトルウィッチアカデミア」などで知られるアニメ制作スタジオ・トリガーが制作したことが話題となり、Twitterとの連動キャンペーンなども行っていました。ところが8月10日になり、Web CMは突如公開中止に。同日、ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)、主婦連合会、アル法ネットが共同でキリンにCMの公開中止を求める要望書を提出していました。
要望書では、同CMが「ゲーム・アニメ・SNS・声優アイドルなど若者文化」を扱っている点や、登場人物の年齢が21~25歳であることなどを指摘し、「明らかに若者層がターゲットで、未成年に大いにアピールする内容」であるとして問題視していました。なぜ法的に飲酒が許される「20歳以上」の登場人物が問題なのか? 実は2016年7月1日より酒類の広告に関する自主規制基準が厳しいものに見直され、これまで20歳以上と定められていた広告モデルの露出が、「テレビ広告では」25歳以上と定められたという背景があります。
ねとらぼ編集部では、CMの公開中止がASKのクレームを受けてのものなのか、キリンに確認を行いました。担当者によると、「CMの取り下げは要望書を受けてというわけではなく、事前にあったASKからの電話を受けて決定されたもの」とのことでした。一部報道では「要望書が届く前に一般からの抗議があったため」とも報じられていましたが、実際はASK関係者から電話での抗議があったため、公開中止が決定されたというのが正確な流れのようです。
また、具体的にCMのどの部分を問題と認識し、公開を中止にしたのか質問したところ、「(未成年に訴求力がある)アニメだから」公開中止にしたとの説明がありました。広告モデルを25歳以上と定めている自主規制基準はあくまで「テレビCM用」のものであるため、「Web CM」では今後も20歳以上のモデルやキャラクターを登用する可能性があるそうです。
なお、CMの公開再開を求める署名が2400人分以上集まっている(電話取材時点)ことについてはキリン側も把握しているものの、公開再開は特に検討していないそうです。
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