映画の撮影中に犬を虐待? ネットに掲載された映像が物議→「ミスリードを誘うもの」とアメリカ人道協会が調査結果を発表
虐待をしているような映像が報じられ、影響が広まっていました。
アメリカで1月に公開された映画「A Dog's Purpose」の撮影中に、犬を無理やり水に落としたとする映像がゴシップニュースサイトに掲載され批判を呼んでいました。この映像について「アメリカ人道協会」が独立調査した結果を発表し、映像は撮影中の出来事を誤解させるよう編集されており、撮影中に傷ついた動物はいなかったとしています。
問題となった映像は、2015年のカナダでの撮影中のものとされ、拒否する犬を強引に水の中に落とそうとしているように見えます。その後犬は激しい流れの中で溺れている様子で、スタッフが慌てだし「カットしろ!」の声が聞こえているという内容になっています。この映像はアメリカのゴシップニュースサイトTMZが提供を受けたとして掲載し、犬へのひどい扱いに映画のボイコットを呼びかける映画スターや動物愛護団体が出て来る事態となっていました。
この問題に米動物愛護団体「アメリカ人道協会」が独立調査にあたり、映像はミスリードを誘うよう意図的に編集されたものだったとする調査結果を発表しました。そもそもこの映像は、掲載される15カ月も前に撮られたものであり、初上映の数日前になってネットに掲載されたことについて、作成した人物の動機や倫理観に重大な疑問があるとしています。
映像はまるでひと続きのように見えますが、調査によれば前半・後半2つのシーンは違う時間に撮影されたものでした。前半の映像については、犬がストレスの兆候を見せてから撮影は中止され、撮影中に泳ぎを強要したことは一度もなかったとしています。その他、撮影前に安全確認ミーティングを開いたり、水が好きであることを基準に犬を選んで6週間のトレーニングを行っていたり、安全の専門家や飼育スタッフなど専門知識を持った人5人が水のシーンを監督していたりと、安全対策は十分だったことが明らかにされています。後半のシーンではすぐに飼育スタッフが犬を水の外に出し、暖かいテントの中で検査をし、ストレスがないことを確認していたのだそうです。数週間前にアメリカ人道協会が犬に対して数種類の検査を行ったところ、健康だと確認されています。
「A Dog's Purpose」は、犬が生まれ変わりながら何人もの飼い主と過ごし、人生の目的を見つけるというストーリー。「HACHI 約束の犬」などで知られるラッセ・ハルストレム監督の作品です。最近世間をさわがせているウソニュースがこんなところにも出てきてしまいました……。
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